がんばるせろな(仮)

夫のバルセロナ留学についてきた30代。コロナ禍のスペインをじたばた生きてます

バルセロナでDELEを受けた話

 5月21日のDELEを受験したのでその記録。各設問攻略のコツ的な情報はないけど、評価基準については多少聞いたこともあるので「当日の模様」の中に含めておく。

  • DELEって何
  • 受けたのはB1
  • 準備したこと
  • 申し込み~当日の流れ(スペインの場合)
  • 口頭試験の模様 (5/16)
  • 筆記試験の模様 (5/21)
  • 総括

DELEって何

 Diplomas de Español como Lengua Extranjera(外国語としてのスペイン語能力試験、みたいな意味)の略。

レベルはCEFRに沿って6つあり、私なりの解釈とともに書くと易しい方から順にA1(入門、自己紹介レベル)、A2(初級、旅行レベル)、B1(中級、日常会話レベル)、B2(上級、大学入学やビジネスレベル)、C1(ネイティブレベル)、C2(仙人)という感じ。※()内は本当に私なりのイメージです

 すべてのレベルで、読む・書く・聞く・話すの4技能がバランスよくできていることが求められる。

受けたのはB1

 現在語学学校ではB2.2を半分以上履修した状況になっているが、選択したのはB1。少し学習状況と開きがある。

 実は昨年秋の段階でB1を受けたかったんだけど、カタルーニャ州の会場はその年の予約枠はどこもかしこも埋まっていて、今年の日程の予約が解禁された瞬間に抑えた(スペインでは1年分の日程が一気に予約可能になるのだったはず)。カタルーニャは予約が大変らしいと、あとから聞いた。

 予約時点では語学学校のクラスはB2.1が終わるかどうかくらいだったので、B2はちょっとしんどいかなと思っての選択だった。

準備したこと

 語学学校でDELE対策講座というのが開かれていたので、通常授業をそれにふりかえてもらい、3週間ほど模擬テスト三昧。ただしこのコースはB2受験者が対象だったので、私だけちょっと別メニューになることもあった。

 このコースの指定教材だったLas claves del nuevo DELEという教科書に加え、EDELSAの過去問集El Cronómetro(いわゆる「時計の本」)も使って、とにかく数をこなす感じ。授業時間は個別に口頭試験のシミュレーション+フィードバック。先生によっては音声を録音しておいてくれて、聞きながら間違いや発音を直してくれる。

 当然待ち時間が発生するので、その間に筆記試験の過去問や例題、作文をやる。こんなにまとめてスペイン語の作文を書いたのは初めてだった。めちゃくちゃ添削されたので、そのあたりの振り返りもいつかしたい。

 ちなみに、読解問題や聴解問題は解説少なめで、解いては答え合わせ、の繰り返し。復習をちゃんとする人向け。とはいえ、DELE試験官の資格を持っているネイティブの添削をうけられるのは良かった。

申し込み~当日の流れ(スペインの場合)

 申し込み時はInstituto Cervantesのアカウントを作るのがちょっと面倒だったくらいで、おそらく日本で申し込むよりは楽。郵送するものなどは一切なく、オンラインで完結した。ちなみに受験料は160ユーロ(2万円以上)だったと思う。日本より高い。

 バルセロナ大学を受験会場として選んだところ、4月26日にバルセロナ大学からメールで受験票(convocatoria)や受験要項、会場の地図が送られてきた※Instituto Cervantesからではないので注意。

 受験票を見ると「筆記試験は5月21日(土)9時から、口頭試験は5月16日(月)17時から、それぞれ別の建物でやります」と書いてあった。3週間前まで口頭試験の日程がわからないというスーパーサプライズ。要は予約時に選ぶ日程は世界共通の筆記試験の日程でしかなくて、口頭試験が別日になるのはよくあるそう。というか、それで5日も空くんだ!B2をうけるクラスメイトの中には筆記試験後の月曜日に口頭試験があるという子もいて、その子は私よりも1週間準備期間が多いことになる…。

 指示としては、EU市民でない場合は当日①パスポートやNIEなど、合法的にスペインに滞在していると証明できる書類②受験料の領収証③受験票を持ってくること、鉛筆と鉛筆削り、消しゴム、青のボールペンが必要ということが書いてあった。ちなみに、試験中はマスクは常に着用、という但し書きもあった。バルセロナは今のところ公共交通機関以外ではマスクしなくてもよいので、このアナウンスは注意してみておいてよかった。

口頭試験の模様

 予想より早く迎えることになった口頭試験。時間にかなり余裕を持って45分前に着いたら、まだ前の時間帯の人が来ていなかったらしく、その人たちをすっ飛ばして試験をしてくれるという。待ちながら単語の復習とかしようと思っていたので焦った。

 2枚ラミネート加工されたような紙を渡される。それぞれにスピーチのテーマが書いてあり、好きな方を選んで話したい内容を15分で下書き。そのあと試験官のいる部屋に誘導されたけど、試験官が1人しかおらず、しばらく待機することになった。知りたい単語があったら今ここで調べられちゃうのでは…と思ったけどやめておいた。

 もう1人の試験官がゆーっくり、雑談をしながら入ってきて(最初からいた方の人が心配そうにせかしても意に介さず)のんびりと試験開始。「日本人だよね!名前みてわかったよ!」とめちゃくちゃ絡まれた。元気いっぱい!

 事前準備した口述試験については、それなりに話せたと思うけど、若干トピックの認識にずれがあった模様。"tienda de barrio"というのが、フランチャイズではない家族経営とかの小さいお店かな?というつもりで話していたけど、H&Mだけの5階建てのビル原宿店、みたいなのもtienda de barrioというらしい。内容よりも正しいスペイン語を話せているかどうかが評価されるそうだけど、これがどう響くか不安。

 その場で写真や課題を見て答えるものに関しては、ホワイトボードにプロジェクターで投影されていたので少し見づらかった。「ちょっと見づらいので椅子の位置を変えてもいい?」と聞いたら割とすんなりOKだった。ロールプレイは試験官が非常に演技がうまく、小芝居を挟みながら話をすすめてくれたので、さほどつっかえなかった。

 対策授業の段階から時間オーバー気味だったんだけど、全体的に話の進め方が遅く、「こういう内容で話してね」という指示を全部クリアしきれなかった。それもどう影響するか気になる。トピックの誤解よりもこちらのほうがまずい気がしている。

 部屋からでたら、私の前の時間帯の人がほぼアウトな滑り込みで到着していて、その人が次に入室するようだった。日本だったら順番抜かしやギリギリ遅刻はどうなるんだろう。東アジア系のクラスメイトに話したら「自分の国では想像できない。遅刻はバッサリ失格だし、早く着きすぎたら待つだけじゃん!」と大合唱だった。

筆記試験の模様

 8時15分には会場にいること、と言われていたので8時すぎに着くようにいったら、8時15分に入場開始という意味だった。そこからレベルごとに各部屋に行き、部屋の前で待機。受験番号順に一人ずつ名前を呼ばれ、持参書類の確認&顔との照合をした後、1~2人ずつ入室する流れだった。とはいえ、8時15分までに来ていなくても大丈夫っぽい。全員が入室するのに20分弱かかっていたし。

受験教室の一覧表。B1の教室は40人くらいのキャパだった

 歴史ある大学ゆえか、部屋が少し古くて、隣とつながった長机+固定の跳ね上げイスというつくり。長机がとにかく小さく、A4の解答用紙を横長に置いたらもうあまりスペースがない状態。天板が若干手前に傾斜しているので、鉛筆が転がり落ちる音がたくさん聞こえた。

 筆記用具は貸出あり。かなり借りている人がいた。マスクを忘れてきた人が一人いたけど「休憩時間に買ってきてね」と言われただけ。予備を持っている人がすかさずあげていたのでそんな事態にはならなかったけど。

 試験問題については、リスニングがすごく難しく感じた。対策授業でもあまり時間を割いていなかったのと、Instituto Cervantesのウェブサイトに上がっているリスニング過去問がたまたまよくできてしまったので油断した。考えてみれば、ネイティブ同士がべらべら会話しているのを、自分に関係あることとしてちゃんと聞く機会が少なかったと思う。生活でも授業でも、基本的には会話している片方もしくは両方が非ネイティブだし。ちゃんと意識的にこういう会話を聞くようにしないといけないなぁと、良い勉強になった。

 筆記はほぼ練習通り。ただ、換気のために窓があけっぱなしだったところに、会場のすぐ裏手で市の催し物があり、音楽が爆音で流れまくっていた。教室が一番ざわついたのは、Mark RonsonのUptown Funkの時だった…。

www.youtube.com

 若い子が多いこともあり、リズムに合わせて体を揺らす受験者続出。これは試験官から「大学構内のことなら止められるんだけど、市のイベントなので干渉できない。申し訳ない」と言われた。これらを踏まえて、もうバルセロナ大学では受けたくない。ポンペウファブラ大学はこういうトラブルがなくてよかった、と聞いた。

 ちなみに、語数については開始前に試験官から「1つの課題に時間をかけすぎず、ちゃんと終わらせてほしいので目安として語数制限があります。1語ずつ数えることにこだわらなくてよいです」とアナウンスがあった。語学学校の先生も「著しく長かったり短かったりしたら数えるけど、パッと見て制限語数と答案の長さが近ければ多少の差は問題ないと思う」と言っていた。日本語のように字数を数える場合は原稿用紙の行数やマス目を計算すればいいだけだけど、語数というのは文章の長さに必ずしも対応しないので、1語ずつ数えるのはしんどい。でもネイティブも1語ずつ数えているらしい。

 ただし、すべての作文はマドリッドに送られ、そこで採点されるらしいので、DELE試験官の資格がある先生方でも未知数の部分はあるそう。※すべての作文=全世界なのか、全スペインなのかは不明。語学学校の先生方は合格基準に届くかどうかだけが大事という感じで言っていたので、一点でも失わない意味では語数をきっちり守るに越したことはないと思う。数えるのに時間をかけすぎて終わらないのは本末転倒だよ!という感じで理解した。

 答案提出時に周りをみると、訂正二重線のない美しい回答を書いている人が多かった気がする。私はほぼ一発書きで訂正しまくりなので、読んでくれる人にとても申し訳ない気持ちになった。

総括

 日本でDELEは受けたことがないけど、スペインでのDELE受験は①手続きは楽②受験料は高い③試験当日はよく言えばゆるいが悪く言えば雑、と想像している。ついでに、バルセロナ大学のような、①歴史があり設備も相応にアンティークかもしれず②近くに広場があって土日にイベントがありがち、な会場はベストチョイスではないなとも思う。

 B2を受けるか悩んでB1にしたけど、B1でよかったかも…と思うくらいの手ごたえのなさ。落ちてそうな気がする。ただ、落ちてたとしても次はB2に申し込むつもりでいる。リスニングにテコ入れが必要なことはさておき、作文も口述も、語数や時間オーバーの方が多く、B1の語数制限に合わせるほうに気をとられすぎた。それなら、B2レベルに見合う語彙や論理展開を身に着けるほうに時間を使いたい。

 設問の傾向と対策みたいなものについては、B2の準備段階か、B1の結果がよければまとめたいかもしれない。

 

バルセロナのバレンタインデーに行ってきた話

 4月23日はサンジョルディの日といって、カタルーニャ州のバレンタインデーみたいな位置づけの日。といっても、贈るのはチョコレートではなくて、男性→女性はバラの花、女性→男性は本であることが多いそう。

 教えてくれた友人は、性別はどうでもよくて、どっちも好きだから両方を贈るしもらう!と言っていた。私も大いに賛成だったので、ちょっと街中に様子を見に行ってきた。

 この日は町のあちこちに本屋さんが出店をだしたり、バラの花が売り出されたりして、なんだかロマンチック。もちろん、行き交う人の手にも本やバラをたくさん見つけることができる。白髪のおじいちゃんがバラを携えて歩いている姿なんてとてもほっこりする。※バラは1輪のみか、1輪+αというものが多いので、ブーケのように大事に抱えるというより無造作に握りしめたりバックパックに突っ込んでいることが多い。それもまたかわいらしい。

     

 ラジオ局のイベントブースや公開収録と思しき車もきていて、圧巻の人出。久々に人酔いした。売っている本はこんな感じ。

最下段左はサンジョルディのロゴ。バラの花が本になっていて、「本とバラの日」と書いてある。

 ユーロ導入前の通貨「ペセタ」で値段が書かれた古本から、日本の漫画(カタルーニャ語だったから買わなかった)、子供用の絵本など、ジャンルも豊富。この日は雨模様の予報だったので、カバーをかけてあるお店もあった。

 古本は3ユーロくらいから買える。大手の書店の出店だと、サイン会なんかも時間ごとに開かれているようで、長蛇の列ができていた。

 花屋さんも、本の出店の合間や交差点に臨時の出店があった。人が多すぎて写真が全然うまく取れなかったけど、こんな感じ。

 1輪のバラが主役のものや、ちょっとした鉢植え、10輪くらいのブーケまで色々。ラッピングにもバリエーションがあるけど、カタルーニャ州旗(黄色と赤のボーダー)モチーフが仕込んであるものが多いちなみに、歩きながら雑に価格調査した感じ、スーパーで買えば最安で2ユーロから、出店で買うならバラ1輪のみのものが7~8ユーロ。麦の穂などほかの植物と合わせたものだと10~30ユーロ。バラの花束や鉢植えに関しては怖くて聞いていない。

 ぬいぐるみやガーデンピックになっているのは、サンジョルディの由来になった伝説に登場するドラゴン。サンジョルディというのはカタルーニャ守護聖人で、この聖人が倒したドラゴンの血がバラになったと言われている。友人に教わった通りの話がウィキペディアに載っていたので詳しくはそちらに譲る。

 友人は「1年で一番好きな日」だと言っていた。春の陽気の中、大事な人のために本を探したりバラを選んだり…。自分にもそうしてくれる人がいるありがたみを感じたり…。これはとても良いなぁ。言っている意味がよくわかる。

 我が家ではバレンタインを廃止してこちらに乗り換えたいくらい、私の好みには合っている。まあきっと2月になったらチョコレートを買うし、なんなら自分用を一番張り込むとは思うんだけど。

 ちなみに、この日は私たちが帰路についたとたんに大雨とあられと晴れを繰り返すすさまじい天気になった。本もバラも無事、誰かの大事な人に届いていますように。

 お知らせ:5月末ごろまで投稿がまた減る見込みです。あと2記事書ければいい方かなと思っています。

Speakeasyの評価を改めて考えてみた

 語学学校で勉強し始めて随分経つので、少し踏み込んだ情報とともに、今だからできる評価をしておこうと思う。

  • 教科書は若干難しめ?
  • 授業の進行やシステム解説
  • 先生による部分が結構大きい
  • コロナの影響
  • 最大人数がやはり多い
  • 総評

授業レベル

 スペイン語の教科書というと、AULAというシリーズが人気で有名なのだそうだ。が、Speakeasyで使っているのはGente Hoyというシリーズ。なんでメジャーどころじゃないのかな…?と不安になったけど、スペイン語が分かる人に見比べてもらうと「GHの方が難しいかも」という感想だった。

 とはいえ、結局スペイン語を学ぶ上で通る道はほぼ同じだろうし、すべての時間を教科書にかじりついて過ごすわけではないので、そんなに身構えることもないと思う。生徒の層やモチベーションによると思う。

授業の進行やシステム

 学校の公式ウェブサイトには、独自のプログラムを採用していると書いてある。が、別に特殊なメソッドというわけではない。CEFRのレベル(A1,A2,B1,B2,C1,C2)に照らして、ある水準に達していないと次のレベルに進めないようになっているというだけ。その判断は、各先生がしている。たとえば、A1からA2に上がる時などの節目に、時々「もう一回A1をやり直してからA2に進もう」と個別に言われる生徒がいる感じ。進級時のレベルテストは希望すれば受けられるらしいが、私はまだやったことがない。

 B1までは毎週「学習〇週間目の人たちのクラス」が用意されていて、どれも同じペースで進んでいく。だから、自分より1週後に始まったクラスに入れば直近1週間ぶんの授業を繰り返せるし、4週あとで始まったクラスに入れば1か月ぶんやり直せる。自分で申し出てクラスを変えてもいい。週の途中でも、相談すればおおむね大丈夫のはず。

 B2以降は、各週数ぶんのクラスはなくて、開講中のクラスに入るかたちになる。各レベルに12週間とかかかるので、週数ごとにクラスを用意していたら大変だし、生徒数も減ってくるからだと思う。

 たとえば、私が終えたばかりのB2.1は11単元あり、順不同でよいので11課全部終われば(そして相応に学習成果が上がっていれば)B2.2に進める。私のクラスは教科書の第3課から始めたので、11課→1課→2課と進んで終わり。B2.1は、私がこれを書き始めた時点で他にあと2クラスあった。

先生による部分

 B2.1まで約半年お世話になった先生は非常に評判が良い。私たちの語彙レベルをきちんと把握していて、知らない言葉を突然使うことは少ないし、言いたいことを察して正しい表現をいいタイミングで教えてくれる。読み書きと話す時間の配分にも不満はない。

 この先生が休暇でいないときは代講の先生が来るのだけど、授業の姿勢は様々。基本的にゲーム形式で授業を進める先生、とにかく作文させて一人ずつ直しを入れる先生、正しく話すことを何より重視する先生、生徒のだれかが話そうとしてもずっと自分が話している先生(この先生だけはやりづらさを感じる)…。

 いろんな先生を比べることで勉強の幅が広がるほか、「あの先生がいいな~」という理由で別のクラスに移ることも可能。生徒間で折り合いが良くなく、別のクラスに行くことにした…という話も稀ながら聞いた。

 ただし、自分のいるレベルが1クラスしか開講されていないと逃げ場がない。上のレベルになればなるほど生徒やクラスの数が減り、学習にかかる週数が増えていくので、融通はききづらくなる。現在、苦手な先生にあたってしまったけど、ほかのクラスはない&次のレベルに上がってこのクラスとお別れするには1カ月以上かかる、というところでちょっと悩ましく思っている。

新型コロナの影響

 最近まで知らなかったが、週20時間コース(1日4時間×平日5日)の場合、本来1日の授業を2人の先生が担当していたらしい。2時間で先生が交代して、たぶんやり方が偏らないようになっているのかな。

 でも、最近まで、新型コロナの影響で接触を減らすために、4時間の授業を全部1人の先生が担当していた。。いい先生に当たれればラッキーだけど、逆にほかの先生と比べる機会がないし、同じ先生とばかりやっていると気づかない苦手分野とかもあるかもしれない。これは今後のコロナの状況次第ではまた戻る可能性もあるのかなと思ったので書いておく。

最大人数はやっぱり多い

 年末年始など休む生徒が増えると、6人ずつのクラスを2つまとめて12人のクラスにしたりと再編成が多くなった。これは先生が休暇を順番に取れるようにするための措置だと思うのだけど、結構突然「今日からあのクラスと合体」と言われるので驚く。

 さらにちょっとストレスなのは、しれっと規約に1クラス12人が最大人数だけど、学校側の判断で定員を増やすことがある」と書いてあること。普段から12人ぎりぎりの週が多く、人数が増えるほどに進みが遅くなったり、フィードバックをもらう時間が減ったりしがちなのに…。

 実際この記事を書こうと思ったときは13人いた。休みやすいシステムだから全員が揃うことは少ないけど、このコロナ禍で定員増はさすがにないかなと思っていたら違った。

総評

 教材はあまりメジャーなものではないが、少し難しいくらいで変なわけではない。習熟していないと先に進めないシステムは、一見厳しいけれど、授業の質をある程度担保してくれる。同じレベルや前のレベルに自由に移動できるのは、自分の予定との兼ね合いを心配をしなくてよいので助かる。

 ただやっぱり人数が多いのはちょっと大変だし、生徒間の相性はまだしも、先生が合わない可能性も考慮して問い合わせをした方がいいかも。

 今後語学学校を探すことがあれば「レベルごとの生徒数やクラス数、先生の人数」は必ず聞くと思う。「時期によって変わる」と言われたくらいでは引き下がらず、「じゃあ今どれくらいなの」とか、もっと踏み込んで「クラスの雰囲気が合わないと思ったらどうしたらいいの」とかくらいは聞いておきたい。

 

多言語脳はどこに育つか

  かねてから、日本語や英語で考えて翻訳しなくてもスペイン語で考えて話せるようになれたらいいなぁ…と考えていた。それが少しずつ叶いつつあるのはうれしい。

  ただ、日本語、英語、スペイン語の3つを行き来するのは相変わらず難しい。

 ちょっと難しい内容だから英語で話そうかな…と思って話しはじめると「あれ、これ英語でなんだっけ…スペイン語ならわかるのに!」というむずがゆさを感じたりする。しかもこれが「ビジネスって英語でなんだっけ(※ビジネスです)」みたいなごく基礎的な単語で起きる。

 この時の脳内のイメージはこんな感じ。

f:id:kananuk:20220310063545j:plain
f:id:kananuk:20220310063548j:plain
★は何語と何語で考えているかという大体の位置

 日本語と英語の間に自分がいるときは、スペイン語に切り替えるのがちょっと大変だし、英語とスペイン語で話そうとしているときに日本語が入ってくると言葉が出てこなかったりもする。上図でいう、コーナリングが難しい感じ。

 この図の中に3か国語をどれも満足いくように話せる「多言語脳」があるとしたら、ここにできると思っていた。

f:id:kananuk:20220310063555j:plain

どこからも近い所が「多言語脳」が育つ場所であってほしかった

 けど、現実は違う。こういう感じ。

f:id:kananuk:20220310063558j:plain

 急に立体になるのは卑怯だと思う。自分でもこんな感想を抱くとは思わなかったけど、本当に「立体的な難しさ」を感じているのだから仕方ない。今のところ、どこからも遠い。なので、3か国語すべてに注意を払うより、どれか2つに集中する楽さに流されそうになってしまう。

 恐ろしいことに、日本語すら、使わないと忘れてしまう。ブログ記事を書くたびに、まとまった文章はいきなり書けるものじゃないなぁ…と思う。そして回を追うごとに下手になり、構想に時間がかかり…。でも、一度も考えたことがない内容をいきなり書いたり話したりはできないと思っているので、今こうして考える時間をとっていることはいつか何かにつながると思う。

 いわんや外国語をや(すかさず日本語を練習)。

 「よくわからんけどなんか素敵…」と思いながら聞いていた洋楽の歌詞が、ある日突然聞こえてくるようになったりする。こういう経験を理由に「打ってから響くまでが長いなぁ…脳にハエが止まるほどトロいのかなぁ…」と自分にがっかりしていた。

 でも、最近少し考え方が変わってきた。たとえば、小さいころにあんなに自転車の猛特訓をしたのに、一度できれば「なんで転んでばかりだったんだろう?」と思う感覚。逆上がりの仕組みが、回れるようになってから遅れて理解できる感じ。これを「理解が遅い!」と嘆く人よりは「すべての苦労はその一瞬のひらめきのためにあった」と思う人の方が多いような気がする。語学を頑張る仲間を見ていると、私たちの抱くもどかしさは「ひらめく準備期間」で大部分説明がつきそうに思う。

 最近よく、深い井戸に一滴ずつ水をためている途中を想像する。自分が注いだ水が底に届いて「ぽちゃん」と音をさせるまでに時間がかかるのは、自分が満たしたい井戸がそれほど深いから。そして、さっき書いた図形の高さが、井戸の残りの深さのように思える。だとしたら、井戸が深い=目標が高いのは必ずしも悪いことではないのかも。

 と、ここまで考えて友人に教わったカタルーニャ語の格言を思い出した。もう一度書いておく。

 De mica en  mica s'omple la pica.

 シンクは少しずつ満たされるという意味。雨だれ石を穿つとか、ちりも積もればみたいな感じだけど、水をためるという発想はこれを聞くまでなかった。きっとこのことわざの影響で、こんな考え方ができるようになったと思う。いくつになっても、いろんなことを吸収して生きている。

 今じたばたしていることも、きっとあとから自分の何かになるはず。育て多言語脳。

「心を寄せる」ことの難しさ

 日々の生活から世界レベルの出来事まで、いろんなことがありすぎて、気が付いたら3月にワープしていた。何をどう書けばいいか考えてはいたけど、まとまらないのであきらめてそのまま書いていくことにした。

 まずは世界レベルの出来事。といっても、世相を切る!みたいな話ではなくて、こういう出来事から、人とのかかわりや社会とのかかわりについて、そして自分について考えている途中です、という話。

 目次、というほどでもないけど。

  • トンガの噴火:心を寄せること自体の難しさ
  • 北京五輪:「同じ日本人として」という力技
  • ウクライナ情勢:「何者として」心を寄せるのか
  • 思うこと

トンガの大規模噴火:「心を寄せる」ことの難しさ

 私がこのニュースを始めて知ったのは、SNSで日本の知人がかなりザワザワしていたから。たぶん、発生から8時間くらい経っていたと思う。ニュースを見ていなかった時期と言うのもあるけど、日本とくらべると、私の周辺は静かだった。

 こちらの人が冷たいからではないと思う。むしろ、キリスト教文化の影響なのか、チャリティー意識がすごいなぁと思わされることがある。ホームレスに小銭を渡す人が結構いるし、募金にも積極的。服を捨てるときは「欲しい人が持っていけるように」とゴミ箱の上にわかるようにおいておくのが暗黙のルール、という地域があったりもする。でも、今日にいたるまで、日本人以外の誰とも、トンガの話はしていない。

 地震津波を体験として知っている人が少ないからかもしれない。西欧地域では地震や火山活動、津波被害は比較的に少ない。なので、普段から私が日本の地震の多さやその対策について話してもあまり刺さらないというか、「ふーん…?すごいんだね…??」という感じになりがち。

 あるいは、物理的な距離が心理的な距離に影響しているのかもしれない。スペインとトンガは結構離れている。日本からみて地球の裏側はブラジル近海で、スペインからみた地球の反対側は、ニュージーランドの近く。トンガはその北にあり、きっちり正反対ではないにしても、「ニュージーランドと赤道の間くらい」というイメージはかなり遠く感じられるのではないか。だとしたら、実際に行ったことがある人や詳しく知っている人は、思いのほか少ないのではないか。

 だとしたら、行ったことがない場所の、経験したことのない困難を想像するのはさぞ難しかろうな、ということを、この時なんとなく考えていた。

北京五輪:「同じ日本人として」という力技

 冬季五輪を詳しく見ないのは時差のせいだとばかりおもっていたが、今思えば中国にはずいぶん昔に行ったきりな上、ウインタースポーツにも縁がなかったというのも大きい。「今の姿をよく知らない都市で行われている」「詳しく知らない競技」に関する壮絶な努力や苦労について、イメージするのが難しいのは道理のように思える。

 同時に、よく見かける「同じ日本人として誇らしい」という感想が、普段より印象に残った。実際にスペインにきて、日本人同士なら今まで経験してきた出来事が似ているから考え方や言いたいことが理解しやすい、ということが結構あったし、これは「よく知らなくても、何か共通点があれば自分のこととして想像できそう」、という、潔い力技のような気がした。

ウクライナ情勢:「何者として」心を寄せるのか

 もう一つ、「何者として」関わるのか、ということを考えさせられたのがこれ。

 最近、ニュースも新聞も語学学校の先生も、ウクライナをめぐる情勢のことを話さない日はない。というか、ニュースや新聞を求めなくても、人と話していればおのずと情報が入ってくるし、意見を求められることもある。先日マドリッドを訪れた時には、ウクライナのためのデモに出くわした。同じころ、バルセロナでもデモがあったそうだ。もはや誰とも話さなくても、町を歩いていれば何かしら情報が入ってくる状況だ。

f:id:kananuk:20220302065736j:plain

マドリッド中心部で2月末にあったデモ。PAZは平和の意

 恥ずかしながら、私はウクライナにもロシアにも詳しくない。ただ、どちらの国の人も語学学校の友人にいて、「〇〇人」である以上に「〇〇さん」として見ているから、自分の手が届く範囲の身近な話だという感覚はある。どちらの友人にも恥ずかしくないよう、彼らに対しての言葉や行動は自分で考えて見つけたいし、それ以外の人と話すときも「なあなあに濁さず自分の意見を持とう、意見を求められたらちゃんと答えよう」と思えている。

 でも、もし私がスペインに来ていなくて、どちらの国の人とも知り合っていなかったら?日本もロシアの隣国だから、関心を持っただろうとは思う。でもどちらかというと「日本という隣国の市民として」であって「個人として」ではないだろうな、という気がする。

思うこと

 よく知らないこと首を突っ込むのは恥ずかしいとか、無責任とか思ったりもする。これまではそこで「知らない、わからない、どうでもいい」と考えることを放棄しがちだった。でも、せっかくはるばるスペインまで旅をして「自分の知っている世界の範囲」が少しだけ増えた今が、自分がどういう立場で世界の出来事を見ていて、何者として世界とかかわりたいのか?をよく知るチャンスなのかもしれない。

3回目のワクチンを受けてきた記録

 先日、3回目となる新型コロナのワクチンを受けられたのでその記録。

 予約5分、現地で5分、副反応の影響を感じなくなるまで5日予約した次の日に打てたので、1週間で全部終わった。流れはこんな感じ。

  • SMSに3回目接種のお知らせが。5分でオンライン予約完了
  • 大規模接種会場、滞在時間なんと5分
  • 副反応はしっかり。きついのは1~2日。完全復活までは5日。
  • 寝ながら考えたこと

SMSに3回目の案内。オンラインで予約完了

 カタルーニャの医療システムにめでたく登録されて(末尾に過去記事あり)しばらくたち、ふとSMSを見るとこんなメッセージが。

f:id:kananuk:20220130234235j:image

 「3回目のワクチン、予約する?」という内容。で、添付のURLをタップすると右上のようなページに飛び、すぐに予約画面に進めた。

 ざっと見た感じ、CAP(地区ごとの公立病院みたいなところ)で受けるか、大規模接種会場で受けるか選べる。私は大規模会場を選んだ。CAPは本当にコロナに罹った人や他の病人が来るところなので、大規模接種会場の方が趣旨に合っていそうなのと、予約枠がたくさんあったから。

 観光地になっているサンパウ病院も会場になっていて、ちょっと気になった…けど、この時は周囲でコロナ感染報告が相次いでいたので、最速で予約がとれるエスパーニャ広場の展示場を選んだ。当日の夜の枠から予約が取れたけど、心の準備ができていなかったので翌日の午前にした。

 ちなみに、予約を取った後に「ワクチンはモデルナ製だよ」ということが分かった。事前に知る方法があるのかどうかは今のところわからない。

接種は5分で終了

 この会場は、以前コミケ的な催しが開かれていた場所(末尾に過去記事あり)。東京でいう、ビッグサイトとか国際フォーラムみたいなイメージ。

f:id:kananuk:20220130234414j:plain
f:id:kananuk:20220130234406j:plain

 会場近くまでいくと「大規模接種会場はこちら」みたいな看板が立っていて、そこに向かって進んでいくと、なんと長蛇の列。

 だけど、親切にも最後尾の人が「予約アリの人はあっち!この列は予約したい人の待機列だよ」と教えてくれた。そして、指さされた「あっち」を見ると…どの場所のことかわからないくらい、誰もいなかった。

 入口でに予約票のバーコードを見せ、入場。全然混んでいないのに、柵でうねうねに仕切られた順路を追っていく。テーマパークの人気アトラクションが珍しく5分待ちの時、みたいな感じで、待たなさに逆に慌てる始末。

 受付ブースでは①予約票②TIE③Salutカード(保険証)の3点を見せた。TIEカードはIDを確認したくらいですぐ「もうしまってもいいですよ」といわれ、「この人はモデルナ3回目」というメモとSalutカードを持って先に進むように言われた。

f:id:kananuk:20220130234403j:plain

「モデルナ、三回目」のメモ。下の青いのは保険証

 その先はもう接種コーナー。衝立で仕切られたブースに2人いて、1人がワクチンをうち、もう1人が端末を使ってその場でシステムに接種情報を登録している感じだと思う。

 問診票も何もなし。腕を出したら即注射、そして「3回目接種は会場での15分待機はしなくていいので、すぐ帰れますよ」と言われたと思う。この日はスランプ真っただ中で、スペイン語なんか一言ぽっちもわかんないよォ!という自棄モードだったけど、一応2回聞き返した。そう言っていたと思うんだよね…。

 で、ブースを出てみてもやっぱり15分待機用の椅子が少なかったのと、すたすた帰っている人が多かったので、日本人の悪癖「右に倣え」ですたすた退場した。長々と書いたけど、入場して出てくるまで5分かかっていない。

 なのに、数日後にはワクチンパスポートにロットナンバー入りで3回目接種の記録が反映されていたのですごいなぁと感心した。

副反応で翌日は使い物にならず、完全復活には5日

 打った当日は「わぁ腕が上がらない」と思っていたくらいだったが、翌日は38.5度を超えて発熱し、セットでやってくる頭痛や節々の痛みに、数年ぶりに「インフルってこんな感じだったなぁ…」と思った。ありがたかったのは、Paracetamol(日本で言うカロナールみたいな薬)がよく効いたこと。

f:id:kananuk:20220130234409j:plain

 熱は2日後にはほぼ下がったけど、その週はずーっとぼんやり微熱があるような感じだったり、なんとなくだるかったり集中できなかったりした。どこまでが副反応で、どこまでが発熱の疲れなのかわからないけど、1,2回目と比べると今回は強烈だった気がする。

寝ながら考えていたこと

 「ワクチンの副反応でこれなら、本当にコロナになったらどうなってしまうんだ」ということをすごく考えた。

 CAPや医療機関に電話する機会があり、部分的に英語が通じても、スペイン語の方が得られる情報の質と量が圧倒的に良いなぁと思っていた。でも、不調の中で、そして身振り手振りなしでどのくらい話せるか…というのは楽観視できない部分があると思う。

 症状を伝えられないだけでなくて、NIEや保険証の番号、電話番号、生年月日、住所や郵便番号、ワクチン接種の日付…情報の大部分が数字なので、言っているうちに訳が分からなくなったり、自信がなくなってきたりもする。特にネイティブスピードでの復唱を聞くときは超ハードモード。

 もちろん覚悟のうえで来ているけど、日本でコロナに罹るのとはまた違う大変さが上乗せされるので、これらの情報は読み仮名つきのメモにまとめておいて、可能なら自分が不調の時に代わりにしゃべってくれる人を見つけておいた方がいいなぁと思った。

 それから、ふとワクチンパスポートを見ると接種記録欄が8回目のぶんまであったのでちょっとドキドキしている。一応作っておいたよ、くらいだと思うんだけど…

f:id:kananuk:20220130234230j:plain

8回目までの記入欄。緑のバーの中には接種した日付が入っている

 少しでも早くコロナが落ち着くといいなぁ。

関連記事

コンビニ・ホームセンター・ファミレス

 スペイン語の初学者クラスで驚いたのが、花屋、魚屋、八百屋…といった、商店街にあるような専門店の種類が多いこと。金物屋、鍵屋、水道屋…なんかは日本にもあるけど、初学者クラスで一気に教わるとは思わず、ちょっとクラクラした。

 特に驚いたのは「コピー屋」。コピーをとってくれたり、各種印刷を引き受けてくれる。カジュアルなKinko'sみたいな感じ…?他にもお店の分類が細かく、しかもコンビニ的なお店がないので、ほしいものがある時はお店探しがまず大変

説明が難しかった日本のお店3種

 私が何をどこで買えるかわからないのと同じように、こちらはほぼ見かけなくて、そのせいでスペインの友人に説明するのが大変だったお店が少なくとも3種類あった。それがタイトルにあるコンビニ、ホムセン、ファミレス。こういう「広範なものが売られているチェーン店」を説明するのが非常に難しい

コンビニ

 コンビニには①食品②携帯の充電器やイヤホン③ペンやレターセットや履歴書④雑誌や漫画⑤緊急贈答用のお菓子⑥タバコ⑦コピー・印刷サービスなんかがあると思うけど、この番号を振ったものは、こちらではそれぞれ別のお店の担当。

 一応24時間営業のお店がスペインにもあり(スーパーも含め多くのお店は日曜休みなので)、おつまみや飲み物と、洗剤なんかの生活必需品を売っているんだけど、ここまで手広くはない。日曜祝日や深夜~早朝にはありがたい!という感じ。あ、でもこちらの「コンビニ的なお店」は、近場なら宅配をしてくれる場合があって頼もしい。

f:id:kananuk:20220115042855j:plain

コンビニ的なお店。24hと書いてあっても閉まっていたりする
ホームセンター

 インテリア専門店は時々見かけるけど、ホームセンターのように「だいたいなんでもありそう」なお店はあまり見かけない。強いて言えば、建材や植木、時にペットも扱っているIKEA、またはDIYのお店とかになるのかな…?というかホームセンターの守備範囲が広すぎるのか。

 アニメやフィクションが好きな子なので、ゾンビが出たら立てこもりたいサバイバル拠点として人気なんだよ!と教える気満々でいたんだけど、それを言えるほどのイメージが伝えられず断念した。

ファミリーレストラン

 ファミリー向けのレストランっていう意味でね…と話しはじめたところ、「ファミリー経営のレストランのこと?」と初歩的な言い間違いを心配された。たぶん、そのくらいピンと来ていなかった。

 ファミレスの難しい所は、いろんな種類の料理があるという説明では「例えばスシとフレンチとイタリアンが一緒に食べられるの?すごいね!」と本格的なものをイメージされてしまい、逆にカジュアルな料理で提供が早いと話すと「つまりファストフードってこと?」と両極端なイメージを与えてしまうこと。子供連れが行く外食=マクドナルドとかの典型的なファストフードという発想の人もいるので、これに関しては「行ったほうが早い気がする」と白旗をあげてしまった。

 たぶんどっちも間違いではない…んだけど、この二つのイメージを脳内で統合するのは難しいと思う。「世界のファストフードが食べられるのか!」と言われると、それはそれで違う気がして…。いや合ってるのかな…自分でも迷子になる。

思ったこと

 おそらく、私の知っている範囲の人は大規模チェーン店より小規模店に価値を見出す傾向があり、「そんなにあちこちに同じお店があってどうするの?」という感覚。たくさん同じコンビニがあって、同じ種類のペンを売っていて、どのお店にもお客が入るの…?という顔をされたけど、こちらも小規模店がいくつあろうと売れ筋商品はどこにでもあるので、そこらそんなに変わらないような気がする。

バルセロナのお店めぐり

 裏を返せば、バルセロナの小規模店は、売れ筋商品のラインナップこそ似ているけど、ちょっとずつテイストや品ぞろえが違う。

 本当に好きで徹底的に探したいものがある時は、時間をかけて小さな店をいくつもめぐるのが楽しい。気持ち的な敷居は高いけど、その分お店の人も詳しいことが多いので、親切に相談にのってくれる

 もちろん、あれこれ探し回った結果、どこにでもおいてある定番商品にたどり着いたり、日本の見慣れた商品を勧められたり、アマゾンで買ってしまうこともあるけど。