がんばるせろな(仮)

夫のバルセロナ留学についてきた30代。コロナ禍のスペインをじたばた生きてます

DELE B2に合格いたしまして。

 DELE B2の合格通知が来たので振り返っておこうと思う。

11月にバルセロナでDELEのB2(中上級)を受けた。受験日は11月18日(口頭試験)、19日(筆記試験)で、合格通知は2月1日にメールで届いた。結果がわかるまで約75日なので、前回B1を受けた時より2週間ほど早く結果が来ている。

 前回と同じように振り返りをしておきたい。当日から風邪をひいて1カ月ほどこじらせたせいでB1の時ほど鮮明な記憶がないけど…目次はこんな感じ。

  • 今回は語学学校で受検
  • 得点と手ごたえのすり合わせ
  • まとめと今後の方針

語学学校で受検するということ

 実は、今回は普段スペイン語を教わっている語学学校を会場に選んだ。理由はいくつかあるが、ざっくり言うと

①B1受検時にバルセロナ大学を選んだ結果、大人数過ぎて(40人くらい?)入室時のIDチェック等の進行がもたついてイライラしたので、会場の大きさが想定できるところにしてみた

②普段から外国人学習者を相手にしている先生の採点の方が話しやすいかもと思った

 という感じ。

 語学学校で受検する場合、試験官は普段顔を合わせて授業をしてくれている、「知っている先生」になる。口頭試験も、筆記試験も。なので、下駄をはかせてくれるとは思わないけど、多少アイスブレイクが楽になったりするかなと思っていた。そう、思っていた。

手ごたえと結果のすり合わせ

 これはもう試験結果を載せた方が早い。ドン。

思ったより良かったけど、手ごたえ通りというわけでもない不思議

 B2の合格基準は、Grupo1(読解+作文)で50点満点中30点以上、かつ、Grupo2(リスニング+会話)で50点満点中30点以上であること。

まず日程的に先だった口頭試験から。

 正直言って「勝手知ったる場所でやる」ありがたみは享受できなかった。普段好きに歩き回っている学校内で、「試験官の指示があるまでここから動かないように」と言われるだけでもう怖い。私の知ってる学校ジャナイ。そして普段ニコニコ優しい先生方も今日ばかりはまなざし鋭く、(採点の)プロの顔。このギャップが怖い。

 これは私の性格の問題で、普段リラックスして話せる相手が急に真面目モードで向かってくるとビビる。そして自分も同じくらい背筋を伸ばさなければ!と思い…多くの場合、自滅する。

 一応練習通りに話せはしたし会話も成り立ったけど、後から思うと接続法過去を一切使わなかった気がする。試験直前に見返す「気を付けることリスト」にでかでかと書いてあったのに。そのくらい雰囲気にのまれてしまった。まあ、それでも19点にはなった。試験官をしてくれた先生からも「ガチガチだったけど良くできていたよ」と言ってもらえている。

 この点数には、たぶん先生方の温情は入っていない、と思う。口頭試験って私の話したことを(言い方も悪いことも)評価しつつ記録をとる用の試験官がいて、それは当面保管されるし異議申し立てがあれば第三者が評価しなおす仕組みになっているから、温情にも限界があるはず。なおかつ、会話を回す方の試験官が抱いた全体的な印象とのすり合わせもあるので、極端なことはできない。

 勝手知ったる場所での受検は、私とは反対に「普段とは違うできる自分を見せてやるぜ」と思える人にはとても良いだろう。

次に読解とリスニング。

 受検者が6人だったので教室からの出入りや人数確認がサッサと終わるのがありがたかった。これは狙い通り。

 読解は長文の中の欠けた段落を補う問題がとても苦手で、6問中2問合えば御の字という感じ。しかも、最初に斜め読みしているときに仮置きしてみた選択肢の方が、じっくり読みながら選んだ時より正解率が高い、なんてことも結構ある。一方で、前後をちょっと読めば1分で解ける語彙やコロケーションといった文法穴埋め問題も1問の重みが同じなので、もうこの段落補充はほぼ捨てて、他の設問を何度も見直すことにした。そして、それでも余った時間はリスニング問題の先読みに全振り。

 正直リスニング問題はどれだけ先読みしようが、いざ音声が流れだすとアワアワして読んだ内容を忘れてしまうので、意味があったのかどうか、評価が難しい。選択肢から設問を予想しても、「この話題が出るはず」と構えていても、聞いてみたら全くあてが外れたということもあるし。30問中「自信をもって正解を選んだと言える」と思えたのって10問くらいだったんだけどな。

 なので、読解とリスニングが思った以上にいい点数で「あれ?まじで?え?」って思ったというのが本当のところ。とくにリスニングはB1時は一番点数が出なかったので、この得点は奇跡というか、運に救われた感がある。両方20点台なんて期待をちらりとも持っていなくて、結果を見た時は叫んだ。

そして、問題なのが作文。

 6割取れていない、これはあまりにも残念。当日のお題は別に難しくはなかったはず。「B2に求める水準に届いている」のではれば理論上6割=15点には乗ると思っているので、私の作文はB2の平均にギリギリ届かないレベルということか。これに関しては改めて作文を先生方に見てもらって、何がどういけないのか探らないといけない。

 シンプルに、これまでにかけた時間の差が如実に出ている、という見方はできる。スペイン語が日々耳や目に入ってくる状況で暮らしていて、授業でちょっと意見を述べてみたりはする。でもそれは会話の一環でしかなくて、グループ授業なので、自説を1から10まで展開することはない。それを文章にすることも、もちろんない。なのでどこで集中力が切れているとか、どこでミスしているとか、この書き方だと伝わらないとか、そういうことは実はほぼ知らない。

 実は今回のDELE受検にあたってオンラインのスペイン語教室でDELE対策をお願いし、辛口の先生を指名して何度か作文を見てもらったのだが、「このままじゃだめですよ」みたいなフィードバックはなかった(口頭試験の練習では言われた)。その話はまたいつか。

まとめと今後の方針

 実は5月のDELE C1受検に申し込んである。スペインを離れる直前の集大成として挑んでみることにした。クラスメイトにC1を持っている子がいて、その子が「今から頑張ったら可能性あるんじゃない?!」と後押ししてくれたのも大きい。

 正直「さすがに調子に乗りすぎかな?」という気もするけど、前回も今回も、手ごたえと結果の出方のずれがすごいので、あえて自分のフィルターを無視し、信じられる友人の助言に乗ってみた形だ。

 

 ところで、自分の実力の1個上のレベルを受けてうまくいかないというパターンはDELEあるあるらしい。DELEは試験結果を2~3カ月ソワソワと待たないといけなくて、受検料も高い。だからどうせ受けるなら、ギリギリ受かるラインの一発合格を狙いたい。そうすると尻に火が付き、もっと頑張れるはず。こういう発想はとてもわかる。私もどちらかというとこっち側の人間だ。

 ただ、2回DELEを受けてみて、そういう受け方はDELEには確かに不向きかもしれないなぁと思う。読む・書く・聞く・話すのうちどれかができればいいなら一点突破も夢じゃないけれど、DELEは全部がそこそこできないといけない。すると、問題の形式や傾向に合わせて労力の配分を変える、いわゆる「試験をハックする」みたいな作業が多少は必要になる。このプロセスって、試験をきっかけに自分の得意不得意を切り分けて客観視したりするのには役立つけど、素の実力より上のレベルでそれをやると、分析材料が少なすぎて「結局がむしゃらに頑張るしかないよね!」みたいな結論に近づいてしまうと思う。そうすると、あてもなくひたすら頑張る辛さが伴ってくる。

 ただ、5月に向けて自分はこれをやるわけなんですが…。がんばるせろな、なんて名前をブログに付けてしまった以上、真面目に頑張らないといけないときもあるのだと自分に言い聞かせています。

 

 ここ数か月、スマホ以外のネット環境がないのにかまけてずいぶんブログを放置しておりました。近況としては、住まいが変わったので戦った話的なネタが少し減って快適であるとか、スペイン語で最新のポケモンを遊ぶと日本語で遊ぶのの10倍くらい時間がかかるけど楽しいだとか。ポケモンSVは本当に勉強になっているのでそのうち何か書きます。DELEの採点基準や試験官としての見方なんかも聞く機会があったのでたぶん書きます。