がんばるせろな(仮)

夫のバルセロナ留学についてきた30代。コロナ禍のスペインをじたばた生きてます

フェデラー引退のニュースをスペイン語で読んでみた

 SNSを見ていたら、ロジャー・フェデラーのテニス引退声明の動画が流れてきた。高校生の頃にフェデラー好きの友達がいて、期末試験の勉強をしながら全仏オープンの中継を見るのが恒例行事だった。好プレーがあると興奮気味な実況メールが来たっけ。10年以上前の話だ、懐かしいなあ。

 それで、ニュースなり新聞なりをスペイン語で見てみようという気になった。長年フェデラーのライバルであり続けたラファエル・ナダルはスペイン人なのだ。ニュースがわかるようになるというのは目標のひとつでもあったから、スペインならではのニュースに目を向けるのがよい契機だと思った。

 

 読んだのは"20minutos(ベンティミヌートス)"の記事。メトロの出入り口なんかに新聞が無料で置いてあるので手に取った。電子版も全ページ公開されている。

 まずフェデラー引退の記事はこんな感じ。

f:id:kananuk:20220916234535j:image

https://www.20minutos.es/edicion_impresa/calendario/barcelona/2022/09/

 半分くらいはわかる。もう半分は、時間をかけて辞書を引いて過去の戦績と照らし合わせれば、何とかわかりそう…。勉強がてら、表現を味わいつつ、気になったところを訳する練習をしてみた。

 黄色のアンダーラインはフェデラー引退声明をスペイン語にしたもの。英語の声明を素直に訳した感じでわかりやすい。

 この中で特に味わい深かったのは、本文最後の

 Te quiero y nunca te abandonaré.

 という一文。「あなたを愛している。あなたのもとを絶対に去らない」という意味なんだけど、abandonarは放棄するという意味だが、家族を見捨てたり、恋人をフる時にも言う。なので、シンプルに現役引退してもテニスはやめないぞ、というだけよりも一層テニス愛が感じられる気がする。

 赤のアンダーライン周辺が、ナダルとの関係についてガッツリ言及している部分。一番左の灰色の列は基本ナダルと作ってきた歴史の話をしていると思う。

 一つ目の赤線の

 Nadal solo le permitió sonreír en su tierra en una ocasión.

 は、ナダルがホームグラウンドでフェデラーに微笑むことを一度許した→ナダルは得意の全仏でフェデラーに一勝を許した、という意味かな。

   二つ目の赤線のRoger topó con su némesis, el tenista que marcaría toda su carrera y con el que construyó la más bella historia de rivalidad que presenció nunca este deporte: Rafa Nadal.は、ロジャーの前に壁が立ちはだかった。彼の競技人生を際立たせ、テニス史上例のない美しいライバル関係共に築くテニス選手。ラファエル・ナダルだ。みたいな感じになるのかなぁ。なかなかこなれた感じにならない。

 スペイン語の一文って長くなりがちな気がしていて(いつも冗長な文を垂れ流している私が言うことじゃないが)、この文構造を日本語に直すのってすごく難しいなと思う。スペイン語スペイン語を勉強していると、和訳とは無縁になってしまうから特に。

 

 青のアンダーラインは、グランドスラムの4大会の呼称に統一感がないのが面白くて引いた。全豪オープンはEl Abierto de Australia(abiertoはスペイン語でopen)で全米オープンはUS Openって…。

 ちなみに、ナダルのコメントこそスペイン語で読んでみたい!と思っていたが、公式コメントが英語だったので出鼻をくじかれた感がある。