バルセロナのバレンタインデーに行ってきた話
4月23日はサンジョルディの日といって、カタルーニャ州のバレンタインデーみたいな位置づけの日。といっても、贈るのはチョコレートではなくて、男性→女性はバラの花、女性→男性は本であることが多いそう。
教えてくれた友人は、性別はどうでもよくて、どっちも好きだから両方を贈るしもらう!と言っていた。私も大いに賛成だったので、ちょっと街中に様子を見に行ってきた。
この日は町のあちこちに本屋さんが出店をだしたり、バラの花が売り出されたりして、なんだかロマンチック。もちろん、行き交う人の手にも本やバラをたくさん見つけることができる。白髪のおじいちゃんがバラを携えて歩いている姿なんてとてもほっこりする。※バラは1輪のみか、1輪+αというものが多いので、ブーケのように大事に抱えるというより無造作に握りしめたりバックパックに突っ込んでいることが多い。それもまたかわいらしい。
ラジオ局のイベントブースや公開収録と思しき車もきていて、圧巻の人出。久々に人酔いした。売っている本はこんな感じ。
ユーロ導入前の通貨「ペセタ」で値段が書かれた古本から、日本の漫画(カタルーニャ語だったから買わなかった)、子供用の絵本など、ジャンルも豊富。この日は雨模様の予報だったので、カバーをかけてあるお店もあった。
古本は3ユーロくらいから買える。大手の書店の出店だと、サイン会なんかも時間ごとに開かれているようで、長蛇の列ができていた。
花屋さんも、本の出店の合間や交差点に臨時の出店があった。人が多すぎて写真が全然うまく取れなかったけど、こんな感じ。
1輪のバラが主役のものや、ちょっとした鉢植え、10輪くらいのブーケまで色々。ラッピングにもバリエーションがあるけど、カタルーニャ州旗(黄色と赤のボーダー)モチーフが仕込んであるものが多い。ちなみに、歩きながら雑に価格調査した感じ、スーパーで買えば最安で2ユーロから、出店で買うならバラ1輪のみのものが7~8ユーロ。麦の穂などほかの植物と合わせたものだと10~30ユーロ。バラの花束や鉢植えに関しては怖くて聞いていない。
ぬいぐるみやガーデンピックになっているのは、サンジョルディの由来になった伝説に登場するドラゴン。サンジョルディというのはカタルーニャの守護聖人で、この聖人が倒したドラゴンの血がバラになったと言われている。友人に教わった通りの話がウィキペディアに載っていたので詳しくはそちらに譲る。
友人は「1年で一番好きな日」だと言っていた。春の陽気の中、大事な人のために本を探したりバラを選んだり…。自分にもそうしてくれる人がいるありがたみを感じたり…。これはとても良いなぁ。言っている意味がよくわかる。
我が家ではバレンタインを廃止してこちらに乗り換えたいくらい、私の好みには合っている。まあきっと2月になったらチョコレートを買うし、なんなら自分用を一番張り込むとは思うんだけど。
ちなみに、この日は私たちが帰路についたとたんに大雨とあられと晴れを繰り返すすさまじい天気になった。本もバラも無事、誰かの大事な人に届いていますように。
お知らせ:5月末ごろまで投稿がまた減る見込みです。あと2記事書ければいい方かなと思っています。