がんばるせろな(仮)

夫のバルセロナ留学についてきた30代女。初スペインとコロナ禍をじたばたと生きています

バルセロナでDELEを受けた話

 5月21日のDELEを受験したのでその記録。各設問攻略のコツ的な情報はないけど、評価基準については多少聞いたこともあるので「当日の模様」の中に含めておく。

  • DELEって何
  • 受けたのはB1
  • 準備したこと
  • 申し込み~当日の流れ(スペインの場合)
  • 口頭試験の模様 (5/16)
  • 筆記試験の模様 (5/21)
  • 総括

DELEって何

 Diplomas de Español como Lengua Extranjera(外国語としてのスペイン語能力試験、みたいな意味)の略。

レベルはCEFRに沿って6つあり、私なりの解釈とともに書くと易しい方から順にA1(入門、自己紹介レベル)、A2(初級、旅行レベル)、B1(中級、日常会話レベル)、B2(上級、大学入学やビジネスレベル)、C1(ネイティブレベル)、C2(仙人)という感じ。※()内は本当に私なりのイメージです

 すべてのレベルで、読む・書く・聞く・話すの4技能がバランスよくできていることが求められる。

受けたのはB1

 現在語学学校ではB2.2を半分以上履修した状況になっているが、選択したのはB1。少し学習状況と開きがある。

 実は昨年秋の段階でB1を受けたかったんだけど、カタルーニャ州の会場はその年の予約枠はどこもかしこも埋まっていて、今年の日程の予約が解禁された瞬間に抑えた(スペインでは1年分の日程が一気に予約可能になるのだったはず)。カタルーニャは予約が大変らしいと、あとから聞いた。

 予約時点では語学学校のクラスはB2.1が終わるかどうかくらいだったので、B2はちょっとしんどいかなと思っての選択だった。

準備したこと

 語学学校でDELE対策講座というのが開かれていたので、通常授業をそれにふりかえてもらい、3週間ほど模擬テスト三昧。ただしこのコースはB2受験者が対象だったので、私だけちょっと別メニューになることもあった。

 このコースの指定教材だったLas claves del nuevo DELEという教科書に加え、EDELSAの過去問集El Cronómetro(いわゆる「時計の本」)も使って、とにかく数をこなす感じ。授業時間は個別に口頭試験のシミュレーション+フィードバック。先生によっては音声を録音しておいてくれて、聞きながら間違いや発音を直してくれる。

 当然待ち時間が発生するので、その間に筆記試験の過去問や例題、作文をやる。こんなにまとめてスペイン語の作文を書いたのは初めてだった。めちゃくちゃ添削されたので、そのあたりの振り返りもいつかしたい。

 ちなみに、読解問題や聴解問題は解説少なめで、解いては答え合わせ、の繰り返し。復習をちゃんとする人向け。とはいえ、DELE試験官の資格を持っているネイティブの添削をうけられるのは良かった。

申し込み~当日の流れ(スペインの場合)

 申し込み時はInstituto Cervantesのアカウントを作るのがちょっと面倒だったくらいで、おそらく日本で申し込むよりは楽。郵送するものなどは一切なく、オンラインで完結した。ちなみに受験料は160ユーロ(2万円以上)だったと思う。日本より高い。

 バルセロナ大学を受験会場として選んだところ、4月26日にバルセロナ大学からメールで受験票(convocatoria)や受験要項、会場の地図が送られてきた※Instituto Cervantesからではないので注意。

 受験票を見ると「筆記試験は5月21日(土)9時から、口頭試験は5月16日(月)17時から、それぞれ別の建物でやります」と書いてあった。3週間前まで口頭試験の日程がわからないというスーパーサプライズ。要は予約時に選ぶ日程は世界共通の筆記試験の日程でしかなくて、口頭試験が別日になるのはよくあるそう。というか、それで5日も空くんだ!B2をうけるクラスメイトの中には筆記試験後の月曜日に口頭試験があるという子もいて、その子は私よりも1週間準備期間が多いことになる…。

 指示としては、EU市民でない場合は当日①パスポートやNIEなど、合法的にスペインに滞在していると証明できる書類②受験料の領収証③受験票を持ってくること、鉛筆と鉛筆削り、消しゴム、青のボールペンが必要ということが書いてあった。ちなみに、試験中はマスクは常に着用、という但し書きもあった。バルセロナは今のところ公共交通機関以外ではマスクしなくてもよいので、このアナウンスは注意してみておいてよかった。

口頭試験の模様

 予想より早く迎えることになった口頭試験。時間にかなり余裕を持って45分前に着いたら、まだ前の時間帯の人が来ていなかったらしく、その人たちをすっ飛ばして試験をしてくれるという。待ちながら単語の復習とかしようと思っていたので焦った。

 2枚ラミネート加工されたような紙を渡される。それぞれにスピーチのテーマが書いてあり、好きな方を選んで話したい内容を15分で下書き。そのあと試験官のいる部屋に誘導されたけど、試験官が1人しかおらず、しばらく待機することになった。知りたい単語があったら今ここで調べられちゃうのでは…と思ったけどやめておいた。

 もう1人の試験官がゆーっくり、雑談をしながら入ってきて(最初からいた方の人が心配そうにせかしても意に介さず)のんびりと試験開始。「日本人だよね!名前みてわかったよ!」とめちゃくちゃ絡まれた。元気いっぱい!

 事前準備した口述試験については、それなりに話せたと思うけど、若干トピックの認識にずれがあった模様。"tienda de barrio"というのが、フランチャイズではない家族経営とかの小さいお店かな?というつもりで話していたけど、H&Mだけの5階建てのビル原宿店、みたいなのもtienda de barrioというらしい。内容よりも正しいスペイン語を話せているかどうかが評価されるそうだけど、これがどう響くか不安。

 その場で写真や課題を見て答えるものに関しては、ホワイトボードにプロジェクターで投影されていたので少し見づらかった。「ちょっと見づらいので椅子の位置を変えてもいい?」と聞いたら割とすんなりOKだった。ロールプレイは試験官が非常に演技がうまく、小芝居を挟みながら話をすすめてくれたので、さほどつっかえなかった。

 対策授業の段階から時間オーバー気味だったんだけど、全体的に話の進め方が遅く、「こういう内容で話してね」という指示を全部クリアしきれなかった。それもどう影響するか気になる。トピックの誤解よりもこちらのほうがまずい気がしている。

 部屋からでたら、私の前の時間帯の人がほぼアウトな滑り込みで到着していて、その人が次に入室するようだった。日本だったら順番抜かしやギリギリ遅刻はどうなるんだろう。東アジア系のクラスメイトに話したら「自分の国では想像できない。遅刻はバッサリ失格だし、早く着きすぎたら待つだけじゃん!」と大合唱だった。

筆記試験の模様

 8時15分には会場にいること、と言われていたので8時すぎに着くようにいったら、8時15分に入場開始という意味だった。そこからレベルごとに各部屋に行き、部屋の前で待機。受験番号順に一人ずつ名前を呼ばれ、持参書類の確認&顔との照合をした後、1~2人ずつ入室する流れだった。とはいえ、8時15分までに来ていなくても大丈夫っぽい。全員が入室するのに20分弱かかっていたし。

受験教室の一覧表。B1の教室は40人くらいのキャパだった

 歴史ある大学ゆえか、部屋が少し古くて、隣とつながった長机+固定の跳ね上げイスというつくり。長机がとにかく小さく、A4の解答用紙を横長に置いたらもうあまりスペースがない状態。天板が若干手前に傾斜しているので、鉛筆が転がり落ちる音がたくさん聞こえた。

 筆記用具は貸出あり。かなり借りている人がいた。マスクを忘れてきた人が一人いたけど「休憩時間に買ってきてね」と言われただけ。予備を持っている人がすかさずあげていたのでそんな事態にはならなかったけど。

 試験問題については、リスニングがすごく難しく感じた。対策授業でもあまり時間を割いていなかったのと、Instituto Cervantesのウェブサイトに上がっているリスニング過去問がたまたまよくできてしまったので油断した。考えてみれば、ネイティブ同士がべらべら会話しているのを、自分に関係あることとしてちゃんと聞く機会が少なかったと思う。生活でも授業でも、基本的には会話している片方もしくは両方が非ネイティブだし。ちゃんと意識的にこういう会話を聞くようにしないといけないなぁと、良い勉強になった。

 筆記はほぼ練習通り。ただ、換気のために窓があけっぱなしだったところに、会場のすぐ裏手で市の催し物があり、音楽が爆音で流れまくっていた。教室が一番ざわついたのは、Mark RonsonのUptown Funkの時だった…。

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 若い子が多いこともあり、リズムに合わせて体を揺らす受験者続出。これは試験官から「大学構内のことなら止められるんだけど、市のイベントなので干渉できない。申し訳ない」と言われた。これらを踏まえて、もうバルセロナ大学では受けたくない。ポンペウファブラ大学はこういうトラブルがなくてよかった、と聞いた。

 ちなみに、語数については開始前に試験官から「1つの課題に時間をかけすぎず、ちゃんと終わらせてほしいので目安として語数制限があります。1語ずつ数えることにこだわらなくてよいです」とアナウンスがあった。語学学校の先生も「著しく長かったり短かったりしたら数えるけど、パッと見て制限語数と答案の長さが近ければ多少の差は問題ないと思う」と言っていた。日本語のように字数を数える場合は原稿用紙の行数やマス目を計算すればいいだけだけど、語数というのは文章の長さに必ずしも対応しないので、1語ずつ数えるのはしんどい。でもネイティブも1語ずつ数えているらしい。

 ただし、すべての作文はマドリッドに送られ、そこで採点されるらしいので、DELE試験官の資格がある先生方でも未知数の部分はあるそう。※すべての作文=全世界なのか、全スペインなのかは不明。語学学校の先生方は合格基準に届くかどうかだけが大事という感じで言っていたので、一点でも失わない意味では語数をきっちり守るに越したことはないと思う。数えるのに時間をかけすぎて終わらないのは本末転倒だよ!という感じで理解した。

 答案提出時に周りをみると、訂正二重線のない美しい回答を書いている人が多かった気がする。私はほぼ一発書きで訂正しまくりなので、読んでくれる人にとても申し訳ない気持ちになった。

総括

 日本でDELEは受けたことがないけど、スペインでのDELE受験は①手続きは楽②受験料は高い③試験当日はよく言えばゆるいが悪く言えば雑、と想像している。ついでに、バルセロナ大学のような、①歴史があり設備も相応にアンティークかもしれず②近くに広場があって土日にイベントがありがち、な会場はベストチョイスではないなとも思う。

 B2を受けるか悩んでB1にしたけど、B1でよかったかも…と思うくらいの手ごたえのなさ。落ちてそうな気がする。ただ、落ちてたとしても次はB2に申し込むつもりでいる。リスニングにテコ入れが必要なことはさておき、作文も口述も、語数や時間オーバーの方が多く、B1の語数制限に合わせるほうに気をとられすぎた。それなら、B2レベルに見合う語彙や論理展開を身に着けるほうに時間を使いたい。

 設問の傾向と対策みたいなものについては、B2の準備段階か、B1の結果がよければまとめたいかもしれない。