バルセロナの長いクリスマス
日本では、お正月は割と大切な家族行事。でも、スペインではちょっと違う。お正月はそんなに格式ばった扱いではなくて、代わりにクリスマス(Navidad)が大切な存在。具体的には、「クリスマス」といえば、12月25日ごろ~1月上旬ぐらいのことを指す。というか、つい最近までクリスマスだった。
そんな長いクリスマス行事が一通り終わったようなので、その記録。時系列で言うと、こんな感じ。
- 11月末ごろ~ イルミネーションが登場
- 12月 クリスマスマーケットが登場 (※別記事を予定)
- 12月25日 サンタさん(Papa Noel)が来る日
- 12月26日 カタルーニャの祝日
- 12月31日 カウントダウンは12粒のブドウとともに
- 1月6日 三賢人(los Reyes Magos)の日
11月末~12月初頭 イルミネーションやマーケットが登場
ハロウィンが終わったなぁと思ったらすぐに、あちこちの通りにイルミネーションが登場する。日本では街路樹にLEDを巻いてあることが多いけど、こちらでは道路の上にネオン看板のような電飾を渡しているパターンが多い。種類も豊富で、街歩きが楽しい。意外と、クリスマスソングを屋外で何度も聞くことはなかった。
クリスマスマーケットについては衝撃的だったのと、今年最初の記事に書くのはちょっとなぁ~と思う内容なので別記事に分ける。
12月25日 サンタさん到来
サンタさんが来る。スペインではPapá Noelといい、いい子にしていたらお小遣いを、悪い子だったらcarbón(炭の意)という真っ黒な砂糖菓子をくれるそうだ。見た目が完全に燃えカスなので、子供心に傷つくだろうなあと思う。兄弟げんかの翌朝にこれをもらってしまい、トラウマになっているという人もいた。
ちなみに、プレゼントは、1月6日に三賢人がくれる。それまでクリスマスが続くので、この日を過ぎても「きよしこの夜」とかが普通に流れている。
ついでに、「日本人はケンタッキーを食べるんだよね?」という話は鉄板ネタだけど、24日が本番みたいな扱いになっていることは意外と知られていない。
12月26日の祝日については詳しい説明を聞く機会がなかったので割愛。
12月31日 ブドウをほおばりカウントダウン
大晦日のだいご味は、12粒のぶどう。年が変わる直前に12回鐘が鳴るので、それに合わせて1粒ずつ白ブドウを口に入れていく。鐘は3秒に1回くらいのペースでかなり早いので、いちいちかんで飲み込む暇はない。一気食いできるよう、事前に皮をむき、種がある場合は切れ込みを入れて取り出しておく。小粒なものを選んでおくのもポイント。
友人が勧めてくれたカウントダウン番組では鐘の音を中継していて、画面に「今何回目の鐘が鳴りました」という数字がでる。みんなリスかハムスターかという感じで口がいっぱいになりながら新年を迎える。ちなみに、12回の鐘の前に4回「今から鳴りますよ!」という予備の鐘が鳴るので、フライングに注意。
12粒のブドウというのはあつまれどうぶつの森で見たアイテムだなぁと思っていたが、スペインの習慣だとは知らなかった。ブドウが豊作すぎた年に、どうにかならんものか…ということで始まったそうだが、すっかり定着している。
1月6日 三賢人の日
三賢人というのは、イエスキリストを訪ねてきた「東方の三賢人」のこと。
スペインでは基本的にプレゼントをくれるのは三賢人で、サンタクロースはあとから輸入された習慣なのだとか。なので、クリスマス飾りもサンタさんではなくて三賢人を見かけることが結構あった。国の祝日になっていて、「三賢人の日おめでとう」と言い合う。
サンタさんにお小遣いをもらい、三賢人にもプレゼントをもらって、スペインの子供は二重取りができるんだなぁ…と思ったけど、日本の子供もお年玉をもらうからどっこいどっこいだった。
この前日の夕方には、三賢人のパレード(cabalgata)が行われる。コロナがまた広がってきているので見に行くのはやめたけど、行った友人の動画を見ると、テーマパークのキャラクターパレードみたいな感じだった。電飾のついたフロートに乗った三賢人が町中を回るようだ。
もう一つ楽しみだったのが、この日だけの特別なお菓子、Roscón de Reyes。
リング状のお菓子の中に、陶器製の賢人の人形と、豆が入っている。自分の食べたお菓子に人形が入ってればあたりで、幸運にめぐまれるそう。豆が当たった人は、お菓子の代金を払う係になるそうだ。
6日の朝は、この箱を持って歩いている人がとても多かった。
1月7日~
それがおわれば、ようやくクリスマスが終わる。ツリーなどの飾り物も徐々に片付き、クリスマスソングともお別れ。そして、各種お店でセールが始まる。初売りや正月セールがなくて、松の内があけるころにセールが始まるのが、ちょっと慣れない感じ。