がんばるせろな(仮)

夫のバルセロナ留学についてきた30代。コロナ禍のスペインをじたばた生きてます

モンセラットでハイキングした記録

 バルセロナから電車で約1時間のところにある「モンセラット(Montserrat)」に、半日くらいのハイキングに行ってきた。日本語の情報が少なめだったので、自分の行動記録も残す。今回いったのはSANT JERONIという山頂っぽいところ。

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こんなかんじの、のこぎり状の崖上まで行ってきた

 自分が知りたかったことを全部書いたら4000字超の超大作になってしまった。でも、分割記事にするほどでもないので、まずは目次で概要を整理。

  • 電車はエスパーニャ広場からR5。Manresa(マンレサ)行き
  • 切符は種類が多いので、駅で買い方を聞く
  • 降車駅を間違えないよう注意
  • 山腹の町からハイキングスタート
  • コース概要と私の記録
  • 素人の感想と注意点
  • 使えそうな表現3セット(超簡単)

エスパーニャ広場駅からR5に乗る

 電車ならPl. Espanyaから出ている「R5」のManresa方面行きに乗るしかないので、これは簡単。電車自体が1時間に1本しかないのと、Pl.Catalunya駅と間違えないように注意するくらい。R5の改札前で切符を買える。

切符は、駅で買い方を聞く(超重要)

 モンセラットには最寄り駅が2つある。「ロープウェイで上りたい人用の駅(Aeri de Montserrat)」「登山電車で上りたい人用の駅(Monistrol de Montserrat)」だ。ここから、それぞれの手段でまずは中腹を目指す。なので、切符の種類が多くて、ややこしい。

 乗車券は、基本的には分けて買うよりも「乗車券+ロープウェイ」または「乗車券+登山電車」のセット切符を買う方がお得。自分で券売機を操作して買うこともできるけど、券売機の近くに駅の職員さんがいるので聞いたほうが確実。英語が通じたし、プラットフォームへの行き方や降車駅も、丁寧に教えてくれた。

 私たちが買ったのは、「モンセラット最寄り駅+中腹までのロープウェイ(往復)」券。2021年9月時点で1枚23ユーロ。帰りも使うので、なくさないように注意。

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 ※4人グループなら、乗車券だけは8回分を複数人で使いまわせる回数券(行き先がZONE4の駅なので、現在は1枚35ユーロ。ZONEとは…距離ごとに運賃が決まるので、その区分けのこと。バルセロナ市街地はすべてZONE1)を買って往復で使い切り、ロープウェイや登山電車は現地で別に買うよう勧められるかも。この場合、1人が改札をくぐって次の人に渡して…というリレーになる。たぶん、その方法も教えてもらえるはず。

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実際に乗った電車。おでこの電光掲示板が本当ににじんでいて見づらい

降車駅を間違えないよう注意

 バルセロナ市内から向かう場合、ケーブルカー用の駅に先に到着するので注意。電車の扉の上に路線案内があるのでよく見ておく。

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 これが車内の路線案内。この案内では進行方向は右から左で、通ってきた駅は赤、止まる予定の駅が緑色に光っている。二股になった先にロープウェイと登山電車の駅が並んでいる。

 周りの人の動きに合わせていたら違うところで降りてしまうかもしれないので、自分で確認して動くほうがいい。進行方向を向いて左側の車窓に「どうみてもあれだな~」という山が見えてきたら、降りる準備。

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どうみてもあれだ!と思って撮った写真

 Aeriは単線駅で、2つのプラットフォームが1つの線路を挟んでいる。私の行ったときは片側のホームはふさがれていて、帰りも来た時と同じホームを使うので少し戸惑った。電車の進行方向をよく確認して乗る。車体の「●●行き」ってところを見ればいいかな…と思っていると、見づらくて焦るかも。

ロープウェイで中腹へ

 Aeri駅を降りて山側を見ると、すぐにロープウェイ乗り場がある。まずは建物内に入り、チケットボックスで切符を見せ、ロープウェイ用のQRコードをもらう。このチケットも帰りに見せるので、最低限なくさないように注意。お手洗いも建物の中にある。

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 このチケットをもらったら外にでて、乗り場(写真右側の黄色いテープの奥)に向かうための列に並ぶ。ロープウェイは片道約5分。前側に乗れば、目の前ぎりぎりまで迫ってくる切り立った崖の迫力が抜群。後ろ側は、だんだん遠くかすんでいく景色を満喫できる。もう一つのロープウェイとの高速すれ違いも迫力があった。

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 ロープウェイの駅には水、コーヒー、お菓子の自販機(HARIBOのグミなど)があった。降車駅で水のペットボトルを買うと、ぎりぎりまで荷物を軽くしておける(スーパーで買っていったほうが安いとは思う)

山腹の町から、ハイキングスタート

 駅を出てすぐのスロープを上がると、そこは町だった。修道院をはじめ、博物館やお土産屋さんはもちろん、軽食が取れる場所や宿泊できる場所もある。アイスクリーム屋さんは、下山後のお楽しみに良さそうだった。

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奥側が山、手前側が修道院と崖。

 この町を出て山に入ってしまうと数時間は戻れないから、修道院見学を予定に入れるなら時間に注意。特に、ミサや有名な少年聖歌隊(スケジュール等は要事前確認)を見たいなら、その時間が最優先だ。あえて鐘のなる時間に山を登っていると、鐘の音が山肌に反響して何重にも聞こえて、祈りに包まれたような気持ちになれる。

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町の案内図。乗り物は12,13番に到着する。登山口は22番。

 地図の左側が山、右側が崖。山側に向かうと聖人と思われる銅像とタイルばりのかわいい手洗い場がある。その横の階段を上っていけば、ハイキングコースの入口。

 【超重要】ハイキングに行くなら、文明的なお手洗いはこの町が最後だと思ってよい。私が利用したときは床がびしょ濡れで、荷物置き場もなかった。仲間がいるなら、荷物は預けるのが吉。

ハイキングコース概要と私の記録

 こちらがモンセラットのハイキングマップ。下山後に息切れしながら撮ったので下の方が少し見切れているが、主要ルートの大半は見られるはず。

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 右下の方の、地図が擦り切れて白くなっているところが現在地。緑の吹き出しに書いてある”Vostè està aquí”は、カタルーニャ語で「あなたはここにいます」という意味。このほかにもみんな触るからか「現在地」が真っ白に擦り切れた案内図がいくつかあった。読めなくてもわかるのはありがたい。

 これによると、主なルートは赤太線の2つ

①Sant Jeroniへのルート:距離7km、所要時間2時間45分、標高差525m、レベルMitjana(平均的)

②La Trinitatを含む周回ルート:距離4km、所要時間1時間45分、標高差200m、レベルBaixa(低い)

 ※どちらも、往復か片道かはわからなかった

 運動全般に不慣れな私がコース①に挑み、山頂から同じコースを戻ってきた結果…所要時間は計4時間!上り2時間8分、約30分山頂でお昼休憩、下り1時間9分という内訳だ。この日は雨風はほぼなく、晴れ時々曇りのハイキング日和だった。気温は天気予報で23~28度くらい。休憩したり、追い越しやすれ違いで道を譲ったり、それを口実にまた休んだりしていたので、健脚な人ならもっと早いだろう。

 そして、たどり着いた山頂はこんな感じ。

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少し曇っているけど、雲が近く、雲の影がはっきり見られて楽しい場所だった

 小さな展望スペースがあり、周りのノコギリ状の山肌や遠くの町まで一気に見渡すことができる。見晴らしがよく、すれ違った女性に「しんどいけど登る価値は十分あるよ!」と励まされたが、ただの励ましではなく本当のことだった。

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 ここまでくれば、階段をはずれて、のこぎりの頂上をに自由に歩くのもいい。手すりはなくなるけれど、みんな好きなところで休憩したり、写真を撮ったり、寝たりしていた。近くののこぎりの上に電波塔があって通信環境があるので、SNSも更新できる。

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展望台から、来た道を振り返った写真。右に行けばのこぎりの上を歩ける

 山頂には遮るものがなく、常時涼しい風が吹きつけていた。この不思議な形の山がどんな風にさらされて今の形になったか、想像できる気がして楽しかった。ただ、この風のせいで汗が急激に乾くので、夏場でも羽織物は必須だ。

 運動不足の素人にはきつかったけど、その苦労は山頂のランチタイムでほぼ忘れた。そして、翌日の筋肉痛で思い出した。

素人の感想と注意点

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 これはスマホの履歴。12時頃にのぼりはじめ、14時過ぎに山頂に到着。見てのとおり、最初の1時間(前半)がとても急できつい前半はひたすら階段が続くうえに、どの段も大股じゃないとのぼりにくいサイズで、歩幅がキープできなかった。木々の生い茂った広場に出たあとの後半戦は、階段より坂道が多くなるので楽。

 行きは98%上り、2%下りという感じでしんどかったけど、帰りは全く休憩がいらなかった。急勾配すぎて走るように下る人が結構いたし、私も何度かそうした。

 全体を通して道幅は人1・5人分くらい。すれ違うために脇によけようとするとじゃりじゃりの岩肌しか足場がないことがあり、少し怖かった。

 もう一点、犬連れがとても多い。みんな賢いんだけど、基本リードがないのでフラッと足元にやってくることがある。私は2~3匹にボディチェックを受け、足が止まった。あとは、彼らの「落とし物」を見かけた時にもちょっとペースが乱れたり…。

 でも、運動不足ながらも非常にいい経験になったし、あの景色と達成感を味わえたなら、十二分に楽しいハイキングだったと思う。ほぼ垂直の岩肌にいどむロッククライマーからバイカー、修道院見学だけの人まで、いろんな人がいるのも、モンセラットならではかもしれない。

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使えそうな表現3セット(超簡単)

 せっかくなので、スペイン語で登山した気持ちになれる(そしてすぐ言える)表現3セット。カタルーニャ語で声をかけられることもあるけど、スペイン語で返事をしても通じる。下山するころには全部覚えているはず。

¡Hola! (オラ!)ーこんにちは。山の基本挨拶なのは、日本と一緒。

Gracias.(グラシアス)/De nada.(デ ナダ)ーありがとう。/どういたしまして。道を譲りあう際によく使った。

¡Pasa!(パサ!)ーどうぞ!行って!という感じ。山では道を譲りたいときに使える。ジェスチャーを付けると必ず伝わるし親切。パサパサ!と2回続けて言ったり、お願いしますという意味の"por favor(ポル ファボール)"をつけて、”Pasa, por favor."と丁寧に言ってもいい。パサパサ合戦になることが多く、ほほえましかった。