がんばるせろな(仮)

夫のバルセロナ留学についてきた30代。コロナ禍のスペインをじたばた生きてます

しょうもない特技

 各国の知人友人とグループで話していて気づいたことがある。

 「なんだっけ名前が出てこない!こういう形で、こういうときに使うもので…(こういう味で…)」と誰かが言葉に詰まっているときに「これのことがいいたいの?」って正解にたどり着くのが人より早い。どこで役に立つでもない特技を見つけてしまった。

 たとえば「三角形のpostre(デザートみたいな意味の言葉)で、日本で食べたんだよね。おいしかったんだけど名前忘れちゃったわ。なんだっけ?」と言われた時。数人の日本人が全員????ってなっていたが、そのあとに「お米を使ってたよ」と続いた段階で、私が「おにぎり?」と尋ねると、本当におにぎりのことだった。デザートという言葉を一旦無視してしまったのに、なぜか合っていた。

 ほかにも、夫と一緒に台湾の夫婦と話していて「日本食が好きだよ!特にガンドン何とか(聞こえない)が最高。台湾のコンビニにもあるよ」と言われたとき。これも「関東炊きかな!」って半ばあてずっぽうで言ったら当たっていた。夫はこの段階で何のことか全然わかっていなくて、「突然話変えたのかと思った。中国語わかるんか」みたいな反応だった。

 この2つのエピソードを通じて「なんでわかったんだろうな~」と考えてみた。

 おにぎりについては、一回「postreって意味が分からんからちょっと脇においとこう。三角形でお米かぁ…あ、おにぎりかな?デザートじゃないけど聞いてみよう」っていう考え方だったので、謎の言葉にとらわれずに知ってる言葉からイメージを絞っていったのが良かったのかな。

 おでんの方は、台湾に行ったことがあって、コンビニに何が置いてあるかはなんとなーく思い出すことができたから、あとは連想ゲームだった。コンビニに置いてあって、もし漢字で書くアイテムだったら、中国語読みでガンドンっていう響きになりそうなもの…って考えたら出てきた。

 なので、情報の取捨選択がうまくハマったのかなという気がする。知っているものを優先して推測を組み立てていき、わからない言葉は後から選択肢を狭める段階で考える。逆に自分が言葉に詰まったとき、例えば「温泉」という言葉が通じなかった時に「自然の中にある熱い水のことだよ」と言ってみたりとか、そういう言い換えもまあできるほうかもしれない。相手が何なら知っているか、すぐイメージしてくれそうか、みたいなことを考えるのは割と早い気がする。

 問題は、この特技には名前も使いどころもないというところ。言葉が満足にわからない環境でのサバイバルでだけ輝く(ことがある)、謎のスキル…