がんばるせろな(仮)

夫のバルセロナ留学についてきた30代。コロナ禍のスペインをじたばた生きてます

紙製の切符と戦った話

 ●●と戦ったシリーズ、今回は我が家ではなくて公共交通機関の話です。バルセロナに大きな不満はないけれど、今回はちょっと本気で困った話。一応、解決済み。

  • バルセロナの公共交通機関の切符は紙製
  • そしてすぐダメになる
  • ダメになる理由が、まあまあひどい
  • 対処法に脱力
  • 他にできること2つ
  • おわりに(紙の切符vs日本のICカード

こんな感じで書きました。

公共交通機関の切符は紙製です

 バルセロナバスや電車の切符は、紙製。仕組みをざっくり説明すると、距離に応じて運賃が変わるんだけど、その区分けが広い。たとえばバルセロナ市内なら同一料金で乗降できる。どの区間で乗降するかと、利用回数(または利用人数)を先に決めて買う。ICカードみたいなチャージ式ではない。

 2021年10月現在、バルセロナ市内(ゾーン1)の1回券なら2.4ユーロ。T-casualという10回券は11.35ユーロ。何度も使うなら絶対に10回券のほうがお得。他にも、複数人で使いまわせる回数券や「30日間乗り放題券」みたいなのもあるから、1回券を買うことは非常に少ない。

 でも、ヘビーユースする切符が紙。官製はがきくらいの厚紙。

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 切符実物を横から撮ったらこんな感じ。手持ちのカード類は身分証とかクレジットカードとか大事なものばかりだったので比較写真が取れなかった。とてもはがきっぽい。

切符がすぐダメになってしまう

 切符の裏側には磁気テープがついているんだけど、これが本当にすぐダメになる。私が使っているのはT-usualという切符。40ユーロで、バルセロナ市内なら30日間乗り放題みたいな感じだ。これを30日間で取り替えてもらうこと4回。週1でおかしくなるなんて、はっきり言って頻繁過ぎる。

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T-casualの表(左)とT-usualの裏(右)。
どっちが磁気テープかわからないけど、銀色のテープが幅4ミリ、黒い線は幅3ミリ。

ダメになる理由がまあまあひどい

 磁気が出るようなものは持っていないし…いつも財布にいれるから、出し入れする時にこすれてるのかな?と思って現地人の友人に聞いてみたら「超わかる!ひどいよね」と前置きしたうえで、「いつも同じ駅で乗り降りする?いつダメになる?」など細かく事情聴取された。やけに詳しく聞かれるなぁと思ったら「この改札機を通すとダメになる!っていうハズレマシンが時々あるから聞いたんだよ」とのこと。

 私のいつも使ってる改札口、入場用の改札機が1台しかないんだけど…。まさかそれがハズレマシンなのか。じゃあ毎日ダメになるリスクと戦うってこと?

対処法に脱力

 文句を垂れていると、彼女が一言「じゃあ改札機のせいじゃないかな。ほかの改札口はない?別の機械だったら通ることあるよ!」

 そんなまさか、機械をかえればいいなんて…と思いながら駅員さんに5回目となる「磁気テープがダメって…」の相談。今までの4回は新しい切符に取り換えてくれたけど、今回は端っこの改札から順に通して、通ったところで「大丈夫だったよ!」と微笑まれた。そして翌朝、最寄りの駅の大きい方の改札まで行き、いつもと違う改札機を試してみたら、あっさり通った。今までの苦労は一体…。

 彼女は「改札機、切符のえり好みが激しいからなぁ。磁気テープが本当に壊れていることは少なくて、大体改札のせいだと思う」とも言っていた。たまに改札機をはしごしている人がいるのは、これが理由だったのかな…と、一人で納得した。同じようにはじかれた切符でも、バスの検札機なら大丈夫だった例もあるので、場所を変えるというのは割と有効なのかもしれない。

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カタルーニャ語で「磁気テープのない切符」と言われているところ。泣ける

 もちろん、切符が物理的に折れている、磁気テープがしわになっている時もはじかれることはある。こういう時はツメでこすってテープを伸ばすと通ったりする。アナログ万歳と思う瞬間だ。

他にできること2つ

 1つめは、既出だけど、切符を新しいものに取り換えてもらうこと。T-usual(30日乗り放題みたいな券)の場合、灰色の制服の駅職員さんに言えば1分くらいで取り替えてもらえた。近くに誰もいなくても、券売機の左下にある「i」ボタンを押せばインフォメーションセンターと通話ができ、職員さんが来てくれた。T-casual(10回券)やほかの券についてはどうかわからないけど、英語とジェスチャーでもなんとかなったから、聞いてみる価値はありそうに思う。

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※灰色にオレンジで書いてあり、しばらく気づかずにiボタンを探し続けた。なので写真を置いておく。

 2つめは、カードケースに入れて保管すること。友人には、パスケースみたいな穴の開いたビニールカバーではなくて、プラスチック製のクレジットカードケースのようなのを勧められた。自分の管理のせいじゃない!と思うためにはあってもいいのかも。

 どちらも(というかどれも)根本的な解決ではないんだけど、知っておくと気持ちに余裕が生まれる気がする。

おわりに(紙切符vs日本のICカード

 短距離で細かく値段を刻んでいく日本式なら、ICカードやモバイルスイカみたいなのにお金をチャージしておくのが楽だけど、そうなると複数人で使いまわす回数券みたいなシステムは難しそうだ。すぐ帰る旅行客がICカードを使った場合、キリの良い値段をチャージして払い戻すのは手間かな?という気もする。

 同一運賃で乗り降りできる区間が広くて、最初に回数券を買い切るのが実用的なバルセロナ式なら、紙にも充分利点がある気がする。数日しかいない旅行客でも使いきりやすいと思うし、交通費の安さには感謝しているので、あまり文句は言えない。

 どちらのシステムにもそうなった理由があるだろうし、メリットデメリットも単純に比較できるものではないと思う。ただ、それはそれ、これはこれ。切符がはじかれたときにドキッとせず、落ち着いて対処できるようにはなりたい。というか、できればはじかないでほしい。