がんばるせろな(仮)

夫のバルセロナ留学についてきた30代。コロナ禍のスペインをじたばた生きてます

Intercambio(言語交換)の感想5つ

 スペイン語ー日本語のインテルカンビオ(言語交換)に行ってみた。言語交換は別の言語でやったことがあるけれど、非対面だったこともあり、長続きした例はごくわずか。興味が偏っているとか、語学以外の目的がある相手だったとか、初心者すぎてあきらめてしまったりとか…。

 今回参加したのはMeetupというアプリで定期的に募集がある会。何年も前からあるようで、真面目そうな雰囲気もあり、お酒があまり入らなさそう&早めに終わりそうな平日の夜を選んで飛び込んでみた。

 学習歴1カ月程度の私が思ったことはこちら。

  • 初心者のうちは、話題は用意していった方がいい
  • スマホはなるべく持たず、筆記具を活用する
  • ネイティブ同士で話すのは、場合によりOK
  • 英語に頼ってもだれも得をしない
  • 助け合う気持ちはマストの持ち物

初心者は話題を用意していった方がいい

 ある程度話せるならフリートークのほうが勉強になるけど、初心者のうちは、自分自身や趣味に関係することしか話せない。だから、望み通りの分野の話を誰かが振ってくれるのを待っているだけでは、会話に入れる可能性はとても低い。知らない単語満載の会話は全然聞き取れないし。

 そこで、語学学校の時とは反対に、先に自分の話をした。教科書やノートを見せて「今勉強を始めて4週間です。レベルはA1の終わりの方で、直説法現在の基礎は知ってます。今日は不規則動詞を習ったけど、難しいので間違えると思います!」というようなことを、無駄にハキハキと言ってみた。

 日本語を勉強してくれる人はおおむね、日本人がどうスペイン語を学ぶのか、どこにつまづくのかに興味を持ってくれる。そして、今の自分のレベルを暴露しておいたおかげで、「今の話わかった?」「その単語の活用はこうだよ~」と教えてもらえた。そうやって教わった単語は忘れにくい。

 ついでに、こうやって気を回してもらうのが申し訳ないので、もっと頑張ろう!という気持ちになれる。

スマホはなるべく持たず、筆記具を活用する

 そうして何かを教わったときに「今メモする!」というと、覗き込んできてスペルを教えてくれたり、追加で説明してくれたりもした。手ぶらだったら流されるようなちょっと難しいフレーズでもメモするまで待ってくれたりしたし、初心者待遇をフル活用した感がある。後で調べようと思った単語を、カタカナで走り書きするのもよかった。こうかな?と間違った綴りでメモしてあとでわからなくなるよりは、カタカナ読みのほうがよほど通じた。

 スマホを使うのは良いけど、ずっとスマホを握って画面を見ている人に対しては「今は話しかけないほうがいいのかな」という空気になっている気がしたので、アナログで行くほうが好き。

ネイティブ同士で話すのは、時によりOK

 これは場の雰囲気によるけど、ネイティブ同士が話し始めた時に「今なんていったの?どういう意味?」と自分で聞けたり、「今のわかった?」といったん流れを止められる人がいるならOKだと思う。ネイティブと話すのが目的でも、ネイティブ同士の会話から面白い単語が拾えることもある

 これに絡んで、どこまでスペイン語で、どこまで日本語で話すかというのが悩ましかった。スペイン語の練習はしたいんだけど、今無鉄砲に話し始めたら3秒でつまづく…でも日本語で話したらマシンガントークになりそう…。と、何度も戸惑った。スペイン人たちはスペイン語の単語をスペイン語で説明してくれたから、私も同じようにすればいいのだろう。なるべく普通の日本人でいればいい。

英語に頼ってもだれも得をしない

 これが最大の反省。あまりに恥ずかしいので書き残しておく。

 語学学校では英語に助けられているけど、ここはスペイン語ー日本語の言語交換。「英語なら言えそうなのに(言えるとは言っていない)」と思ってしまうことが何度かあり、そのたびに無意識に相手をひとくくりに「外国人」扱いして、だから英語で何とかなると思ってしまっていることに鳥肌が立った。

 自分が学ぶ上で「日本語に頼るのは最終手段」と考えていた時間が長かった。けれど、言語交換ではそれが相手の勉強にもなるわけで、「日本語だとわかってもらえないかも」という考えを持つのはとても失礼なことだ。わかってもらえるという期待を持って話さないといけなかった。

 日本語ロスになったことはあっても、ホームシックにも、和食ロスにもなったことがなかった。なので、自分はどちらかというと「海外?どんとこい!」側の人間かと思っていたけど、こんなところで情けなさすぎる思考の偏りを発見した。

助け合う気持ちはマストの持ち物

 自分の日本語力を100としたら、多分英語は30~40くらいで、スペイン語は1か、よくて2くらいだということも痛感した。英語に頼るからなんとなく会話できた気になるけど、100か1かの世界では「相手がわかろうとしてくれるからこそ伝わる」というありがたみをより強烈に感じる。相手にとってもそれは同じはず。

 それに、もし今後スペイン語がうまくなるとしたら…。なるべくこの気持ちは忘れずにいたいけど、そのときは贅沢にも、また別なことで悩むかもしれない。だとしたら、自分も一緒にウンウン言いながらコミュニケーションを作るという達成感がこれほど大きいのは今だけかもしれない。

 

 何事も良い面と悪い面がある。インテルカンビオも賛否両論あるのは知っている。これ以外の学習方法もあるから、自分の性格と相談だ。

 私はこういう機会があると「もっと頑張ろう」と燃えるタイプ。なので、少し自信が出てきたときに調子に乗らないよう、自分の鼻っ柱を折るのにはもってこいだと思っている。