階数表示の怪。事実は辞書よりも奇なり
海外に行くと、建物の階数表示が日本と違って驚くことがある。スペインもそう。
- スペインには0階がある
- 0階以外にも色々ある
スペインには0階がある
たとえば、これはカタルーニャ広場近くにあるユニクロと、PRIMARKという服屋さんのフロア案内。
背景の色が違うのは0階。日本の1階にあたる。地下1階はー1なので簡単。数直線で考えれば、0階がある方がロジカルな気もする。一方、日本の「地上の1つめの階」「地下の1つめの階」という発想も納得できる。
0階以外にも色々ある
私の通っている語学学校の教室は「PRIMERO(1番目)」という階にある。スペインの1階=日本の2階のはずなんだけど、実際は…日本でいう4階にある。
まず入ってすぐの階は【PB】、PLANTA BAJAと呼ばれている…と思う。これはとてもざっくりいうと「下の階」という感じ。日本の1階のこと。
そして、階段をちょっと上がると【E】、ENTRESUELO。entreは~の間に、sueloは床という意味。手元の西和辞書には「中2階」と書かれている。ここにもちゃんとした部屋があり、ほかの階との差は感じない。なので、1つの階として数えていいと思う。むしろPBのほうが、受付と郵便受けしかない分天井が低い気がする。
さらに、その上に【P】、PRINCIPALがある。辞書には「2階」とある。日本人学習者向けの辞書だから、日本でいう2階のことだ。ここまでは、地上階、中2階、2階…だから、つじつまはあっている。ちなみにメインの意味は「主要な」。ウェブサイトのトップページなんかもこう呼ばれることがあるみたいだ。
そして、やっとその次が「PRIMERO」。通算4階めだけど、エレベーターには【1】と出る。ついに数字のお出まし!ちなみに、辞書にはこちらも「2階」と書いてある。スペインの1つ目の階なら、日本の2階だ。なにも間違ってない。さしあたり、PRIMEROというのは、特別な名前のない階として1つめ、という意味合いで理解すれば筋は通る。
というわけで、私のクラスは「字面的にはスペインの1階(日本でいう2階)だけど、実際はスペイン人が3階と呼びそうなところ(日本の4階)にある」。事実は辞書よりも奇なり。
無理やり図解してみてもやっぱり訳が分からないので、クラスメイトたちも「ここ何階かいまだにわからないよね~」とよく笑っているし、グループチャットのルーム名もこの混乱にちなんでいる。
4階まで階段で行くと思うと少し億劫な時もあるけど、PRIMEROまでと思えばそんなにつらくないのも不思議で面白い。
他にも数字じゃないフロア名がもっとあると思う。すでにAとかBというエレベーターのボタンを見たことがある(正体の見当はついているけど、初対面の方のピソだったので確かめられなかった)。
とにかく、建物によって色々あるようなので、待ち合わせの時はフロア表示を確認するようにしている。