がんばるせろな(仮)

夫のバルセロナ留学についてきた30代。コロナ禍のスペインをじたばた生きてます

衝撃のクリスマスマーケット

 スペインでのクリスマス(Navidad / Nadal)は、日本のお正月と同じくらいの一大事。なるべく、というか意地でも家族と過ごしたいし、プレゼントを贈りあうので買い物がはかどるし、家の飾りつけもはりきる。11月末から街中にイルミネーションがあらわれ、クリスマス気分がとても長い。

 ヨーロッパのクリスマスといえば、クリスマスマーケット。バルセロナにももちろんある。一つは大聖堂前の広場、もう一つはサグラダファミリアの周り。そんなに規模は大きくないけど、のぞいてきたら驚きの連続だった。具体的にはこんなものたち。

 ※お食事中には向かない項目が2つあり、それらには(※)をつけています※

さほど驚かないものたち

 マーケットで目につくのは、リース、ツリー、ヤドリギ、オーナメント、クリスマスモチーフのインテリアやぬいぐるみ。このあたりは、目新しさも感じるけれど、日本人でもまあ予想がつく。おしゃれで温かみのある、安心のクリスマスアイテム。

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想像の範囲内にある、かわいいクリスマスアイテムたち

 Feliz Navidadスペイン語Bon Nadalカタルーニャ語で、それぞれメリークリスマスの意味。

ベレン

 ちょっとめずらしいのは、ベレンBelénと呼ばれる立体模型。スペインでは、聖書の一場面をジオラマで再現し、家の中に飾るらしい。

 面白いことに、背景や建物などの「ステージ」屋さんと、イエスキリストや聖母マリア、東方の三賢人といった「登場人物」屋さん、動物や野菜、木などの「小道具」屋さんが分かれている。テイストやサイズ感も多様なので、組み合わせ次第で無限に楽しめそう。日本ではあまり見かけなさそうなジオラマパーツもあるかもしれない。

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いろんなパーツが並ぶ

 ちなみに、スペインでは東方の三賢人はとっても大切。スペインの子供たちはサンタクロースではなくてこの3人にプレゼントをお願いする。

カガティオ(※)

 丸太に顔を書き、鼻と手足を取り付け、帽子とマントを着せたもの。カタルーニャ固有のもので、サイズや顔つきが作り手によって違うので、選びがいがある。丸太や赤い装いがとてもクリスマスチックでもあり、私はとても気に入っている。

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ダリの顔のティオ(左)と、各サイズのティオ(右)

 とてもかわいらしいが、caga tióと書く。cagaはcagar(ウンコをする)からきている。お察しください。※本記事ではウンコと連呼しています。ご容赦ください。

 子供たちはクリスマスが近づくと、このカガティオにおやつをお供えする。すると、クリスマスの日にティオがお返しにおやつやプレゼントをお尻から出してくれるという仕組み。子供たちが歌いながらティオを棒で叩き、ウンコしろ!とせっついているのが非常にかわいらしい。

 マントは、ウンコ=お返しを出しているところを隠してあげるため…だそうだが、実際は親がお供えを回収し、マントの下にお返しを隠しておくためのもの。ものによっては、お尻があるであろう側にお菓子を隠す穴が開いていたりもする。

カガネル(※※※)

 こちらもカタルーニャのものらしい。caganerと書く。スペルでお察しください。というか、見た方が早い。

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こういう「ウンコ中」の人形のこと

 有名人や人気キャラクターバージョンが出てきたのは割と最近のことで、もうちょっと中世っぽい扮装の人形がオーソドックスなのだそうだが、なんにせよこれが大聖堂前の広場にずらっと並んでいるなんて…。

 これを、前述のベレンの中に隠すように置いたりするらしい。ティオといい、これといい、ウンコだらけ?!と思ったら、日本語のウィキペディアに大変興味深い記事があった。表現が味わい深く、楽しい記事だったのでそのまま貼っておく。

カガネル - Wikipedia

 ウンコにこだわる理由については消化不良感があり、奥深いというか底知れぬものがあると思っている。カタルーニャ外から来た語学学校の先生は「これはカタルーニャだけの習慣だからね!」と拒否感を出した直後に「誰かの幸運を祈る時は”Mucha mierda(mierdaもウンコの意。たくさんウンがありますように、っていう感じ)”と言うのよ」と言っていた。これはまだ車がなくて馬で移動していたころ、劇場の前にたくさん馬糞が落ちている=客の入りが良かった、成功だったから、という立派な由来があるそうだが、…

気を取り直して、最近のサグラダ

 実はクリスマスマーケットが開かれていたサグラダファミリアは、最近塔の尖端に新しい星の飾りを戴いたばかり。12月上旬に点灯式があったと記憶している。

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新しいお星さま(左)と少し離れたところからの写真(右)

 なんとなく綺麗なもので終わりたかったんだけど、バチが当たったりしませんように…

バルセロナの長いクリスマス

 日本では、お正月は割と大切な家族行事。でも、スペインではちょっと違う。お正月はそんなに格式ばった扱いではなくて、代わりにクリスマス(Navidad)が大切な存在。具体的には、「クリスマス」といえば、12月25日ごろ~1月上旬ぐらいのことを指す。というか、つい最近までクリスマスだった。

 そんな長いクリスマス行事が一通り終わったようなので、その記録。時系列で言うと、こんな感じ。

  • 11月末ごろ~ イルミネーションが登場
  • 12月 クリスマスマーケットが登場 (※別記事を予定)
  • 12月25日 サンタさん(Papa Noel)が来る日
  • 12月26日 カタルーニャの祝日
  • 12月31日 カウントダウンは12粒のブドウとともに
  • 1月6日 三賢人(los Reyes Magos)の日

11月末~12月初頭 イルミネーションやマーケットが登場

 ハロウィンが終わったなぁと思ったらすぐに、あちこちの通りにイルミネーションが登場する。日本では街路樹にLEDを巻いてあることが多いけど、こちらでは道路の上にネオン看板のような電飾を渡しているパターンが多い。種類も豊富で、街歩きが楽しい。意外と、クリスマスソングを屋外で何度も聞くことはなかった。

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グラシア通りのイルミネーション

 クリスマスマーケットについては衝撃的だったのと、今年最初の記事に書くのはちょっとなぁ~と思う内容なので別記事に分ける。

12月25日 サンタさん到来

 サンタさんが来る。スペインではPapá Noelといい、いい子にしていたらお小遣いを、悪い子だったらcarbón(炭の意)という真っ黒な砂糖菓子をくれるそうだ。見た目が完全に燃えカスなので、子供心に傷つくだろうなあと思う。兄弟げんかの翌朝にこれをもらってしまい、トラウマになっているという人もいた。

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中央の黒い塊がカルボン。夜店で売られていた。

 ちなみに、プレゼントは、1月6日に三賢人がくれる。それまでクリスマスが続くので、この日を過ぎても「きよしこの夜」とかが普通に流れている。

 ついでに、「日本人はケンタッキーを食べるんだよね?」という話は鉄板ネタだけど、24日が本番みたいな扱いになっていることは意外と知られていない。

 12月26日の祝日については詳しい説明を聞く機会がなかったので割愛。

12月31日 ブドウをほおばりカウントダウン

 大晦日のだいご味は、12粒のぶどう。年が変わる直前に12回鐘が鳴るので、それに合わせて1粒ずつ白ブドウを口に入れていく。鐘は3秒に1回くらいのペースでかなり早いので、いちいちかんで飲み込む暇はない。一気食いできるよう、事前に皮をむき、種がある場合は切れ込みを入れて取り出しておく。小粒なものを選んでおくのもポイント。

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12粒ずつにしたブドウ。スーパーでは1パック1ユーロ未満。

 友人が勧めてくれたカウントダウン番組では鐘の音を中継していて、画面に「今何回目の鐘が鳴りました」という数字がでる。みんなリスかハムスターかという感じで口がいっぱいになりながら新年を迎えるちなみに、12回の鐘の前に4回「今から鳴りますよ!」という予備の鐘が鳴るので、フライングに注意。

 12粒のブドウというのはあつまれどうぶつの森で見たアイテムだなぁと思っていたが、スペインの習慣だとは知らなかった。ブドウが豊作すぎた年に、どうにかならんものか…ということで始まったそうだが、すっかり定着している。

1月6日 三賢人の日

 三賢人というのは、イエスキリストを訪ねてきた「東方の三賢人」のこと。

 スペインでは基本的にプレゼントをくれるのは三賢人で、サンタクロースはあとから輸入された習慣なのだとか。なので、クリスマス飾りもサンタさんではなくて三賢人を見かけることが結構あった。国の祝日になっていて、「三賢人の日おめでとう」と言い合う。

 サンタさんにお小遣いをもらい、三賢人にもプレゼントをもらって、スペインの子供は二重取りができるんだなぁ…と思ったけど、日本の子供もお年玉をもらうからどっこいどっこいだった。

 この前日の夕方には、三賢人のパレード(cabalgata)が行われる。コロナがまた広がってきているので見に行くのはやめたけど、行った友人の動画を見ると、テーマパークのキャラクターパレードみたいな感じだった。電飾のついたフロートに乗った三賢人が町中を回るようだ。

 もう一つ楽しみだったのが、この日だけの特別なお菓子、Roscón de Reyes

 リング状のお菓子の中に、陶器製の賢人の人形と、豆が入っている。自分の食べたお菓子に人形が入ってればあたりで、幸運にめぐまれるそう。豆が当たった人は、お菓子の代金を払う係になるそうだ。

 6日の朝は、この箱を持って歩いている人がとても多かった。

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試しに買ってみた小ぶりなお菓子。私は豆が当たった…

1月7日~

 それがおわれば、ようやくクリスマスが終わる。ツリーなどの飾り物も徐々に片付き、クリスマスソングともお別れ。そして、各種お店でセールが始まる。初売りや正月セールがなくて、松の内があけるころにセールが始まるのが、ちょっと慣れない感じ。

EU版ワクチンパスポートをもらうまでの流れ

 新型コロナの感染が再拡大していると言われ出してずいぶんになる。バルセロナでも、バーやレストランに入る際はEU版ワクチンパスポートの提示が義務化された

 ありがたいことに、私たちは日本で2回ワクチンを受けることができた。けど、その裏返しとして、日本のワクチン証明書しかもっていない。日本のワクチン接種証明書でも入れるお店「も」ある。日本のワクチン接種証明はEUの規格を満たしているから。でもEUのワクチンパスポートはQRコードなので、QRコードの載っていない紙を出すと怪訝な顔をされたり「どこになんて書いてあるの?」と聞かれたりして、いろんな人に手間をかけてしまう。それに、今後適用範囲が広がったらもっと困るだろう。

 というわけで、EUワクチンパスポートを入手した。11月28日に動き始めて、12月22日にQRコードをゲットできた。約3週間…。周囲に同じ状況の人が少ない上に、自分より早く手続きが進んでいる人はさらに少なかったため、全てが手探り&知らないことだらけで困った。今月記事がほとんど書けなかったのは、これ関係に気を取られ続けていたから。

 なので、経緯を一人の経験談として記録しておく。日本でワクチンを2回接種済みの場合、カタルーニャ州での手続きはどうなるか?というニッチな話が4000字以上続く。前置きが長くなったが、目次(というか時系列)はこんな感じ。

  • 11月28日 最寄りのCAP(公の医療機関)を訪ねること計3回
  • 11月29日 TSI(保険証)の発行をオンラインで申請
  •    この間、La Meva Salutという健康管理アプリをダウンロード
  • 12月14日 申請が通った旨のメールを受信
  • 12月15日 地区担当のCAPでワクチンパスポートが欲しいと頼む
  •     同日、保険証の情報を使ってアプリを使えるように設定する
  • 12月22日 アプリ内でQRコード等をダウンロードできるようになる
  • 反省点
  • アプリの設定方法

 長いので、大事なことは紫色にして、「反省点」で抜粋してまとめなおす

11月28日 最寄りのCAPへ。3回空振り。

 CAPというのは、centre d'atenció primària/ centro de atencion primariaの頭文字で、プライマリケアセンターとか、初期医療センターと訳せると思う。各地区に1つある公的な医療機関で、TSIという保険証があればここで医療を受けられるそうだ。

 しかし、自分の住んでいる地区を管轄するCAPを知るには、州のフリーダイヤル(061という)に電話して聞く必要がある。そしてこのフリーダイヤル、カタルーニャ語で「〇〇の用件なら1番を押して…」などという自動音声を流したあと、ものすごい速さで切れる。スペイン語でも言ってるかもしれないけどわからなかった。繰り返しのアナウンスもないので圧倒的絶望。考えている時間はない。

 というわけで、Googleマップで自宅からの距離が一番近いCAPに直接行って聞いてみることにした。その場で対応してくれることになった場合のために、パスポートやTIE、ワクチンパスポートを持参した。

 待ちに待ち、用件を伝えたところ「Tarjeta Sanitaria Individual(TSI)=保険証はないの?」と何度も聞かれた。持っていなかったので「今初めて知った。何それ?」とい聞き返したら、Empadronamiento(市民登録)はしてる?だったら住民票をもってきて」と言われ、帰された。

 書類が足りていればいいのね!と思い、住民票を引っ張り出して再度CAPへ。さらに待ち、さっきより奥のブースに通された。正しい窓口にたどり着いたんじゃないか?!と思ったのもつかの間。担当者が「君の地区は別のCAPが管轄だよ。うちにはデータがないなぁ」。哀れに思ったのか、行くべきCAPの住所と名前をメモに書いてくれた。住所等から管轄CAPを探すデータベースの画面も印刷して持たせてくれた。

 そして、教わったCAPにその足で突撃。しかし、ここでは「TSIがないと受け付けられない。ワクチンパスポートを発行するには、保険証番号が必要なの。オンラインで申請すれば、保険証番号だけ先にわかるから、わかったらまたきて。オフラインで手続きすると2カ月はかかるから、絶対オンラインがいいわよ」と言われた…。それ、最初のCAPで教えてもらうわけにはいきませんでしたか…?

 とりあえずこの日わかったことは3つ。Empadronamientoの書類が必要なこと、自分の行くべきCAPの場所と、TSI(保険証)がないと話が始まらないということ。ビザのための保険や、私的な医療保険ではダメ。

 身もふたもない話だけど、スペインで2回ワクチンを受けた友人は接種記録がスペインに残っているため、すんなりパスポートをもらえたそうだ。日本人がコロナやリスクを持ちこんだと言われないよう、スペインに迷惑をかけないよう、ワクチンを2回終えてから出国できるよう気をもんだつもりが、そのせいで手続きが難しくなっていてちょっと損した気分。コロナ対策は損得の問題じゃないけれど。

11月29日 TSIをオンラインで申請

 案内されたURLに飛んで、フォームに必要な情報を入力する。全編カタルーニャ語だけど、数か月住んでいれば雰囲気でなんとかわかる。住所などのプルダウンは、ページごと英語に変換する機能を使っていると間違いを招きやすいので注意。そこだけカタルーニャ語に戻したほうがいい。雑に言うと、日本語の新町とニュータウンが英語では一緒になっちゃった!くらいのややこしさ。

 送信ボタンを押してもまったく手ごたえがないけど、少し待つと自動返信メールが来るのでそれを確認したらおしまい。

 ついでにLa Meva Salutをダウンロードした。これはカタルーニャ州のアプリで、診察の予約やワクチンを打てる場所、CAPで受けたPCR検査の結果等がみられるとても便利なアプリだそうだ。ただし、TSIの番号がないうちは自分のアカウントにアクセスできないので、本当に準備だけ。

12月14日 TSI申請が通った旨のメールを受信

 しばらく音沙汰がなくて、年内に返事来なかったらどうしようか…と思っていたら、メールが来ていた。あなたの情報をデータベースに登録しましたという内容で、カードは後から届きますとも書かれていたと思う。

 添付されているURLを見れば、自分のTSI番号(CIPという)を含め、登録された情報が確認できるこのリンクは有効期限があるので、メールチェックはこまめに。

12月15日 自分の地区のCAPへ

 このメールと、以前CAPに持って行った書類一式(パスポート、TIE、Empadronamiento(住民票)、日本の接種証明書)を持参した。

 今度もスムーズにはいかず、「本当にあなたの住所ってうちの管轄???」とかなり疑われた。別のCAPで貰ったメモとデータベースの写しを見えたら納得してもらえた。一応その場で「担当地区住所リスト」みたいなのとも照合していたけど、これを見せたことで「別のCAPで確認してもらったのね」とわかってもらえたので本当に助かった。

 そしてやっぱり「TSIは?」と聞かれる。「カードはまだ届いてないけど、番号はわかります」と答えると、ついに対応してもらえた長かった…。直後に「TSIの番号を入れても、あなたの情報が出ないわねぇ…」と言われて沈黙が流れたが、「まあいいわ」と作業を続けてくれた。

 たぶん、事前にアプリを使えるようにしておく必要があった(この時はLa Meva Salutから直接ワクチンパスポートをダウンロードできる仕組みだとは知らず、ワクチンパスポートの情報をこのアプリに登録するか何かしてQR化すると思っていた)。

 最後に「今ちょっと時間がかかっているから、20日の週まで待ってもらうことになると思う」と言われて、今度こそ本当におしまい。

12月22日 QRコードをゲット

 そういえばそろそろだなぁ…と思ってアプリを見ると、「ワクチンパスポートをダウンロードしますか」みたいな項目ができていた。またあなたの情報はありませんって言われるかと思ったけど、難なくダウンロードできた。いつでも見せられるように保存して、やっと安心できた。

反省点と注意点

 以上を踏まえて、一番スムーズにいく方法を考えてみた。

 ①自分のCAPを調べる

 これはいつでもできるので、入居時に仲介業者さんや大家さんに聞くか、061への電話を手伝ってもらうのが最速&最良かも。近くのCAPで聞いてみたことについては、一義的には病人のための場所なので、間違った場所に行ったために余計な手間をかけさせたことになってしまったなと反省している。データベースの写しも、係の方のご厚意でしかなく、頼めばくれるというものではないと思う。

 ②Empadronamiento(住民登録)の際かその直後に、TSIの手続きも済ませる

 TSIを最初から持っていたら今回の手続きは1週間で済んだはず。TSIは自分で申請しないと手に入らない。オンラインで申請するか、役場でどうしたらいいか聞くかになると思うけど、役場に行くのには予約が必要なので…ほかの手続きのついでか、オンラインが良さそう。

 TSI番号がわかったら、La Meva Salutをダウンロードしてログイン可能にする

 ワクチンパスポートが義務になったときにアクセスが殺到してダウンしたらしいので、余裕をもって準備しておくといい。ちなみに、本来はアプリを使えるようにするのにCAPで本人確認が必要だったらしいが、コロナ禍の現在は接触を減らす方針のため、アプリ内でできるようになっている。

 自分のCAPへ。身分証明(パスポートとTIE)、ワクチン接種証明書、住民票を持参しよう。「TSI(保険証)は?」と聞かれたら、「まだ届いてないけど、番号はわかります!」と答えればOK。

 アプリからもワクチンパスポートを申請できなかったのかな?とも思ったけど、自分で窓口に行ってしまったのと、同じような状況でアプリから申請している人の話を聞いたことがないので不明。

アプリの設定方法

 TSI番号がわかったあとも、アプリにログインする方法が数時間わからなかった。TSI番号を入れても、パスワードがわからないので先に進めなかった。

 もし同じような人がいたら、初期画面の上側に出ている solicita el altaというところをタップすれば、ログインパスワードを作る手順に進むことができる。

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 下の方の青いボタンは、ログインできるようになってから使うもの。

 

参考リンク:TSIの申請先

Vicの中世マーケットに行ってきた記録

 カタルーニャ州北部にVicという町がある。大きな街ではないが、Mercado Medieval (カタルーニャ語Mercat Medieval。Mercado/mercatは市場、medievalは中世の、という意味)がとても有名らしい。友人が車を出してくれるというのでお邪魔してきたらとても楽しかった。今回はちょっと写真が多い。

  • Vicへのアクセス&開催日時
  • 目玉はずらりと並ぶ露店
  • 買ったもの
  • 行くときの注意点

Vicへのアクセス&開催日時

 Vicはここ。今年は12月4~8日、午前10時~午後8時までの開催。

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 バルセロナからみて、フランス国境とのちょうど真ん中くらいにあり、バルセロナ市内から車で1時間半程度だった。電車でもそのくらいらしいけど、時間通り来なくて何時間か待ったという人がいたので注意。非常に込み合うため、車でも渋滞に巻き込まれたら2時間ではきかない。どの経路でも、一日かかる覚悟をした方が良い。

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標識に「フランス」と書いてあるのがうれしい島国の民

  町並みは、石畳の道路と、ゆるやかなカーブを描いて立ち並ぶ家屋が特徴的。ところどころに見晴らしの良い田園風景も広がっていて、のどかないい所だった。

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目玉はずらりと並ぶ露店

 色々な催しがあったようだけど、目玉は通りに立ち並ぶ露店の数々。

 中世マーケットなので、当然中世っぽい兜や剣、角でできたコップ、ついでにバタフライナイフなども売られている。ちょっと修学旅行のお土産を思い出したけど、こちらのはちゃんと大人サイズ&大人価格。覚えている限りでは、剣が120ユーロくらいしたかな。

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「大人の修学旅行」「あの時木刀を買えなかった恨み」という言葉がよぎる

 中世といえば魔女狩りの時代でもあり、魔女モチーフの飾りつけがされていた。魔女つながりか、ハリーポッターグッズもたくさんあり、光る杖などは子供たちが釘付けになっていた(なぜか明らかに非公式であろう日本のアニメグッズも売られていた。割と人が集まっていた)。

 子供たちのクリスマスプレゼントによさそうなおもちゃもたくさんあった。日本でみない子供向けのものだと、乳歯が抜けたときにおまじないをするための小さな扉が売られていた。抜けた歯を置いておくと、ネズミが代わりにコインを置いていってくれるらしい。

 ほかには、ハーブやお茶が「片頭痛に」「悪夢を見る人に」といった効能ごとに売られていたり、十二星座ごとのパワーストーンが売られていたりと、ほんのりスピリチュアルな感じのお店も人気だった。最近気づいたが、こちらの人は星占いの話がとても好き。日本人の血液型トーク以上に好き。「〇〇座の人とは合わない」「親友は〇〇座が多い」とか普通に言うし、とても盛り上がる。「誕生日は〇〇座の最初の日」というと大体の人が誕生日を当てられる。すごい。

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香辛料、サンジョルディ(カタルーニャのバレンタイン)の人形、花の飾り

 自然派コスメやキャンドル、オリーブオイル、水彩画、アクセサリー、マリオネットのお店などもあり、なんでもありな自由な雰囲気。中東の物産コーナーもあった。

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 もちろん食べ物も売られていて、露店の中にオーブンを置いてその場で焼いているパン、fuetと呼ばれるVic名産のソーセージがこれでもかと吊るされたお店、ヤギやヒツジなどのちょっと珍しいチーズ、その隣にはチーズケーキ、お酒…。近くに飲食用の椅子やテーブルがある露店もあった。

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 お店の種類を問わず、中世っぽい衣装で営業をしている店主さんがたくさんいて、街並みとあいまって没入感がすごかった。

買ったもの

 戦利品はこちら。

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 オレンジ色のが羊のチーズ。珍しかったので、その左の四角錐みたいなのもチーズ。カマンベールみたいで、癖が強いのが好きならおいしい。知人におすそ分けしたり、来客時に出したりしようと思って大きなのを買ったので、2つで35ユーロくらい。量り売りなので、小さいのを選べばもっと安い。

 こちらでembutidoと総称される腸詰め3点も買った。Vic名物のfuet日本のとは違うよ!と毎度言われるチョリソーなど3つで10ユーロ。いくつかのお店をめぐり、似た内容で安いお店を探して買ったので、その過程が楽しかった。この中世マーケットには、地元名産のfuet目当てにやってくるお客さんがとても多いので、出店も多いし価格競争も激しいようだ。

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 fuetはちょっと臭いが個性的だけど、うまみがぎゅっと濃縮されていて、ねっとりこってりとした味わい。おつまみに評判が良い。embutidoはスペイン人が「もし食べられなくなったら禁断症状がでる」と言いながら勧めてくる食べ物で、種類がたくさんあるので、地道に試していきたい。

 あとはチーズ屋さんで売っていたチーズケーキも買ってきた。こちらもホールケーキ1個半くらいの大きさで30ユーロくらいだった。プリンのような食感でずっしり重く、載っているベリーごとに味がきちんと違うので非常においしかった。

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行くときの注意点

 まずは寒さ。フランスとの国境に近い北部なので、しっかり寒い。

 次に、カードが使えないお店は珍しくないので、現金を持っていくこと。

 そして人ごみ。時間にもよるけど、ピーク時(14時前後)はサグラダファミリアよりも混んでいたと思うので、荷物の管理には十分注意が必要だ。10時くらいに言ったら誰もいなくてゆっくり見て回れた。

 トイレの心配も忘れてはいけない。仮設トイレが随所にあるけど、長蛇の列ができていた(男女一緒に並んでいるので、列がより長く見える)。こちらの仮設トイレは水と消臭剤が流れるので日本のものより使い心地は良いけど、たくさんの人が使うと水も消臭剤も紙もなくなるので大惨事だ。空いていたら行っておくとか、長居しすぎないとか、水洗トイレのあるカフェやバーで借りるなど、自分なりの対策があると良い。

 最後に交通手段。冒頭にも書いたが、車でも電車でも遅れはつきもの。時間に余裕をもって、できれば早めに行き、早めに帰ってくるのがよい。帰りの高速はバルセロナに向かうため分岐と合流が複雑で、これを間違えるとなかなか帰れないので一層注意。

 

参考リンク:イベント概要

スペイン語A1とかB2って何?というかCEFRって何?

 スペイン語は、先日B1の授業が終わり、B2が始まった。

 …と書いたところで、スペイン語をやり始めた当初はこの「B1」「B2」という言い方がとても新鮮だったことを思い出したのでひと記事書いておこうと思う。

 雑に言うと、「日常会話には不自由しませんがプレゼンはちょっと…」「ネイティブ級です」「TOEIC何点です」などと答える代わりに、このレベル区分を言えば、自分の客観的に見た言語レベルが伝わる。そんな感じの分類。もう少しだけ詳しく書いてみた目次がこちら。

  • A1やB2というのは何の記号か
  • CEFRって何?
  • B1やB2ってどのくらいのレベル感?

A1やB2とは何のことか

 B1やB2というのは、CEFRという指標に沿ったレベル表現で、学習時間やできることの内容に合わせて大きく6段階に分かれる。初心者がA1で、A2→B1→B2→C1と上がっていき、C2がネイティブ級。各レベルの中でもさらに細かい段階分けがある。

 私はB2が始まったところなので、純粋に「スペイン語学習の道のりを半分きた」とは言えないけど、今この6段階のうちの真ん中くらいにいる。

CEFRとは

 そのCEFRを日本語で調べると「ヨーロッパ言語共通参照枠」という訳語が出てくる。目が滑るので長いこと説明を読んでいなかったんだけど、「言語の実用レベルがどのくらいか」を各国共通の基準で表す仕組みだと理解した。

 たとえば、英語A2の人が英語でできることとドイツ語A2の人がドイツ語でできることはだいたい同じ。英語A2のスペイン人に「私はスペイン語技能検定5級なんだよ」と言ってもイメージしてもらいにくいけど、「私のスペイン語はA2だよ」と言えば「自分の英語力と一緒くらいか!」と思ってもらえる。

 というわけで、LinkedInなんかにもその人の言語レベルがCEFRで書かれていることが割と多い。※英検やTOEICなどは独自のレベル指標を採用していて、CEFRとは正式な対応関係にはないはず。

B1やB2ってどのくらいのレベルなのか

 文部科学省の資料にあるB1の説明と、現時点での自己評価はこんな感じ。

  • 仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。…だいたいわかる
  • その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。…「たいてい」は言い過ぎだけど、頑張れる
  • 身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。 …たぶんできる

 ちなみに次のレベルであるB2は

  • 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。…英語でも無理
  • 母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。…英語でも無理
  • 幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。…英語でも無理

 というわけで、B1は「身近なことがらについて要点を把握し、簡単なことなら言える」みたいなイメージなのに対して、B2は「知らないことでもきちんと意見を言える、身近な話題なら詳細に理解できる」という感じのイメージを持った。B2の要求水準が急に上がった気がする。

 これまではA1を4週間、A2を4週間、B1を6週間で通り抜けてきたんだけど、B2は24週間かかる。実に半年。でも、外国語で仕事や勉強をしよう!というとだいたいB2レベルを期待されるようだから、さもありなんという感じ。

 B2以降は長丁場なので、しばらく「あれがわかるようになった」「これが言えるようになった」とはなかなか思えないかもしれないな…と思い、名残を惜しんで書いておいた。

 

参考資料:各試験とCEFRの対照表(文部科学省

https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2019/01/15/1402610_1.pdf

スペインの郵便局を使ってみた話

 スペインの郵便事情がよくないという話はよく聞く。何度か日本と手紙や小包のやりとりをしたので、どんな感じだったか記録しておく。先に書いておくと、不着はなく、だいたい20日~1カ月で着いた。目次はこんな感じ。

  • 郵便局から手紙や荷物を送る手順
  • 小包3件送った結果&トラブル時の流れ
  • 日本からの手紙は20日くらいで着く
  • 番外編

郵便局から手紙や荷物を送る時の流れ

 郵便局(Correos)に行ったら、まず整理券をとる。整理券は内容ごとに「送る(Enviar)」「受け取る(Recibir)」などの項目に分かれているから注意。呼び出しモニターに自分の番号と行き先の窓口が出るので、それに従う。

 「日本にこれを送りたい」と言って差し出せば、あとは流れに従うのみ。ポストカードは1通1・5ユーロ、小包はプランやサイズ、重さによるけど、日本なら郵便や他の配送手段で800円以内かな?というもので15~20ユーロだった。これは「航空便がいいけど急いではいないよ」と伝えた場合で、急ぐなら1万円くらいは覚悟した方がよさそう。

 小包の送り状をその場で作成してもらったので、いろんなことを聞かれた。自分と送り先の電話番号、身分証番号はすぐ伝えられるように用意しておくとよい。送り状の控えがPDFで送られてくるので、自分のメールアドレスもメモして持っていくとよい。追跡番号(Código envío)がそこで確認できる。Correosでも日本郵便の追跡ウェブページでも配送状況が見られるので、これは大切。

 あとは「この住所ってどれが都道府県でどれが市と町なの?」というようなことも聞かれるかも。

小包3つを送った結果&トラブル時の流れ

 ポストカード2通と小包を3つ、それぞれ別の日に送った結果、ポストカードと小包2は20日ほどで届いたのだけど、最後の小包は1カ月あまりかかった。どれも価格もサイズも送り先もあまり変わらないもの。

 1カ月かかった荷物は、手編みの帽子。年末年始に間に合うように11月はじめに差し出したのに、12月に入っても配送状況が更新されず、日本に着いたかどうか分からなかった。これまでの2件が大丈夫だったから手作りのものを送ってみたんだけどな…と、ちょっと慌てた。スペイン人も「ちょっと長いかも。自分なら郵便局に聞きに行く」と言っていたので、私も窓口まで行ってみた。

 経緯をしっかり書いたら長くなったので、先にタイムラインを掲載しておく。

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 配送状況の画面をみせて「1カ月くらい荷物が動いてないんだけど、何か問題があったと思う?」と聞いてみた。調査してくれるとのことで、連絡先等に加え、改めて追跡番号、中身は何か、調査結果を何語でほしいかを聞かれた(英語が選べた)。調査依頼の控えはこんな感じ。

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 窓口の人は「スペインでは追跡番号があるものは全部記録が残るはず。一応日本の郵便にも同じように問い合わせてみて」と言っていた。

 日本郵政の問い合わせ電話番号はフリーダイヤルとナビダイヤルのみで、海外からはかけられなかった。メールを送ったら3日で返信が来たけど、ちょうどその3日の間に荷物が日本の拠点に届いたらしく「本日お届け予定です」という内容だった。結果オーライというか、私の間の悪さが光ったというか…。

 なので、結局スペインー日本間の移動時に何があったのかはわからない。もちろん、1カ月かかるのは普通という可能性もある。ちなみに、スペインの郵便からはこれを書いている時点でまだ連絡がない。調査依頼を出した時点で荷物がスペインを出ていたならしょうがないのかな?

 とにかくちゃんと届いたのでよかった。一カ月はちょっと長いと思うけど、「国際郵便ってこんなものだよね」という範疇に収まっているような気もする。ただ、手作り品など替えがきかないものを送るのはちょっと不安

日本からの手紙は20日くらいで着く

 日本から手紙をもらったのは2回。いずれも20日前後で到着した。

 荷物に関しては送らないでほしいとお願いしているので受け取り経験ナシ。EU圏外からの荷物はトラブル事例が多いそうだ。

 曰く、送る側がきちんと料金を払っているのに、受け取る側も同じくらいの金額を払わないと荷物が受け取れないとか。不在票が入っていたので翌日受け取りに行ったら、すでに発送元のカナダに返送済みだったとか…。これはスペイン人からも評判がよくない模様。

番外編

 スペインの郵便局でも、記念切手やオリジナルアイテムが売られている。いいなと思ったのはこれ。

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Correosは黄色と青がテーマカラーなので、ポストの実物も黄色か青。

 ポストの貯金箱。日本の郵便局でも何度も見たなぁ…。全然知らない国だけど、妙に懐かしい気分になった。

しょうもない特技

 各国の知人友人とグループで話していて気づいたことがある。

 「なんだっけ名前が出てこない!こういう形で、こういうときに使うもので…(こういう味で…)」と誰かが言葉に詰まっているときに「これのことがいいたいの?」って正解にたどり着くのが人より早い。どこで役に立つでもない特技を見つけてしまった。

 たとえば「三角形のpostre(デザートみたいな意味の言葉)で、日本で食べたんだよね。おいしかったんだけど名前忘れちゃったわ。なんだっけ?」と言われた時。数人の日本人が全員????ってなっていたが、そのあとに「お米を使ってたよ」と続いた段階で、私が「おにぎり?」と尋ねると、本当におにぎりのことだった。デザートという言葉を一旦無視してしまったのに、なぜか合っていた。

 ほかにも、夫と一緒に台湾の夫婦と話していて「日本食が好きだよ!特にガンドン何とか(聞こえない)が最高。台湾のコンビニにもあるよ」と言われたとき。これも「関東炊きかな!」って半ばあてずっぽうで言ったら当たっていた。夫はこの段階で何のことか全然わかっていなくて、「突然話変えたのかと思った。中国語わかるんか」みたいな反応だった。

 この2つのエピソードを通じて「なんでわかったんだろうな~」と考えてみた。

 おにぎりについては、一回「postreって意味が分からんからちょっと脇においとこう。三角形でお米かぁ…あ、おにぎりかな?デザートじゃないけど聞いてみよう」っていう考え方だったので、謎の言葉にとらわれずに知ってる言葉からイメージを絞っていったのが良かったのかな。

 おでんの方は、台湾に行ったことがあって、コンビニに何が置いてあるかはなんとなーく思い出すことができたから、あとは連想ゲームだった。コンビニに置いてあって、もし漢字で書くアイテムだったら、中国語読みでガンドンっていう響きになりそうなもの…って考えたら出てきた。

 なので、情報の取捨選択がうまくハマったのかなという気がする。知っているものを優先して推測を組み立てていき、わからない言葉は後から選択肢を狭める段階で考える。逆に自分が言葉に詰まったとき、例えば「温泉」という言葉が通じなかった時に「自然の中にある熱い水のことだよ」と言ってみたりとか、そういう言い換えもまあできるほうかもしれない。相手が何なら知っているか、すぐイメージしてくれそうか、みたいなことを考えるのは割と早い気がする。

 問題は、この特技には名前も使いどころもないというところ。言葉が満足にわからない環境でのサバイバルでだけ輝く(ことがある)、謎のスキル…